循環器トライアルデータベース

TAIST
Tinzaparin in Acute Ischaemic Stroke

目的 急性脳梗塞患者において,低分子量heparin tinzaparinの有効性と安全性を検討する。
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(欧州10か国,カナダ),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は6か月。
対象患者 1484例。18~90歳。発症から48時間以内。
除外基準:CTで頭蓋内出血の証拠が確認できるもの(midline shift>5mm,あるいは非脳卒中の診断);昏睡(Scandinavian neurological stroke scale≦2);pure sensory stroke;中等度の脳卒中(Scandinavian neurological stroke scale>53);外傷または内科的外科的手技に合併した脳卒中;3か月以内の脳卒中あるいは心筋梗塞;中等度あるいは重症な障害(modified Rankin scale 3~5)が先行していた例など。
治療法 tinzaparin高用量群(486例):175 anti-Xa IU/kg/日(20000 anti-Xa IU/mL),中等用量群(507例):100 anti-Xa IU/kg/日(11430 anti-Xa IU/mL),aspirin対照群(491例):150mg×2錠/日。投与は10日間とした。
結果 6か月後のindependent(Rankin score 0~2)例はtinzaparin高用量群で194/468例(41.5%),中等用量群で206/486例(42.4%),aspirin群で205/482例(42.5%)と同様であった。サブグループ(性,年齢,脳卒中の重症度,治療までの時間,脳卒中の原因:心臓塞栓症,大血管,小血管)による効果の違いは認められなかった。
障害,致死率,神経学的悪化率も群間差はなかった。入院中の治療期間中,tinzaparin高用量群では症候性深在血管血栓症は発症しなかったが,aspirin群では9例発症した。一方,頭蓋内出血の発生はtinzaparin高用量群で7例,aspirin群で1例であった。
★考察★急性脳梗塞発症から48時間以内のtinzaparin高用量,中等用量投与は,aspirinと比べ機能的改善は認められなかった。tinzaparin高用量投与は,深在血管血栓症を抑制したが症候性頭蓋内出血率が上昇した。
文献
  • [main]
  • Bath PM et al for the TAIST investigators: Tinzaparin in acute ischaemic stroke (TAIST); a randomised aspirin-controlled trial. Lancet. 2001; 358: 702-10. PubMed
  • [substudy]
  • QOLの性差:QOLは女性の方が不良の傾向にあり,身体機能,活力,mental health(心の健康)のスコアは男性より有意に低く,年齢や脳卒中の重症度などの予測因子で調整後も,身体機能,および心の健康は有意に低かった:Stroke. 2007; 38: 2960-4. PubMed

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EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
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収載年月2001.12
更新年月2008.01