循環器トライアルデータベース

ADMIRAL
Abciximab before Direct Angioplasty and Stenting in Myocardial Infarction Regarding Acute and Long-Term Follow-up

目的 急性心筋梗塞(AMI)において,血小板GPIIb/IIIa受容体拮抗薬abciximab とステントの併用療法が,ステント単独の場合と比較して有効であるかを検討する。一次エンドポイントは30日以内の死亡+再梗塞+標的血管の緊急血行再建術。
コメント 血小板GPIIb/IIIa受容体拮抗薬がステント植込み後の再狭窄の予防に有効であることが,冠動脈造影を用いた追跡調査で明らかにされた。(井上
デザイン 無作為,二重盲検,多施設(26施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は6か月。登録期間は1997年7月12日~1998年12月22日。
対象患者 300例。primary PTCA施行予定例で>18歳,発症後12時間以内の初発AMI,心電図の連続する2誘導以上で1mm以上のST上昇が認められた例。ステントは梗塞責任血管>2.5mmで解剖学的に適切で,広汎な石灰化のない場合に植込んだ。冠動脈造影上の基準は設けず。
除外基準:出血傾向,血栓溶解療法中の例など。
治療法 全例にaspirin投与後,abciximab+ステント群(149例)あるいはプラセボ+ステント群(151例)に登録順に割付け。
abciximabは0.25mg/kgをボーラス投与後,0.125μg/kg/分(最大10μg/分)を12時間静注。heparinを70U/kg(最大7000U)ボーラス投与で開始。必要ならば活性化凝固時間200秒を達成するように追加投与。PTCA後,heparinを7U/kg/時を冠動脈造影(24時間後)まで連続静注。活性化トロンボン時間を1.5~2倍に調節。両群ともステント植込み後ticlopidine 250mg×2回/日を30日間投与。
施行後30日および6か月目に臨床転帰を評価,24時間後と6か月後の冠動脈造影により梗塞責任血管の開通性と左室駆出率を評価した。
結果 一次エンドポイントの発生率はabciximab群6%,プラセボ群14.6%(p=0.01)。また6か月後の一次エンドポイントと同じイベントの発生率は7.4% vs 15.9%(p=0.02)。abciximab群の良好な転帰は,TIMI grade 3の達成率が同群で高いことに関連していた(PTCA前16.8% vs 5.4%,p=0.01;施行直後95.1% vs 86.7%,p=0.04;6か月後94.3% vs 82.8%,p=0.04)。6か月後の左室駆出率はabciximab群の方がプラセボ群よりも大きかった(61.1% vs 57.0%,p=0.05)。
abciximab群で重大な出血が1例発生した(0.7%)が,プラセボ群ではなかった。
★結論★AMI患者におけるabciximabの早期投与は,プラセボと比較してステント施行前の冠動脈の開通性,ステント植込みの成功率,6か月後の冠動脈の開通率,左室機能,転帰を改善する。
文献
  • [main]
  • Montalescot G et al for the ADMIRAL investigators: Platelet glycoprotein IIb/IIIa inhibition with coronary stenting for acute myocardial infarction. N Engl J Med. 2001; 344: 1895-903. PubMed
  • [substudy]
  • 3年後の結果:死亡に関するデータが得られたのは96%(abciximab群145例 ,プラセボ群143例),その他のデータに関しては87%。総死亡率はabciximab群9.1% vs プラセボ群12.2%(絶対差3.1%;95%信頼区間-3.8~10.1%,p=0.36)。死亡+再梗塞は11.8% vs 16.9%(p=0.20),再梗塞は3.6% vs 7.2%(p=0.18)。
    本試験の一次エンドポイントは3年後においてもabciximab群のほうが低値(13.8% vs 21.6%,p=0.07)。予め設定した二次エンドポイント(虚血再発,CABG,脳卒中,再入院)のうち,虚血再発率のみabciximab群で有意に減少した(p=0.05):Eur Heart J. 2005; 26: 2520-3. PubMed

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収載年月2001.08
更新年月2007.07