循環器トライアルデータベース

WRIST
Washington Radiation for In-Stent Restenosis Trial

目的 冠動脈内γ線療法のステント再狭窄予防効果を検討。一次エンドポイントは6か月後の死亡+心筋梗塞(MI)+標的病変血行再建術(TLR)。二次エンドポイントは冠動脈造影上の再狭窄(血管径≧50%)。
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
期間 追跡期間は12か月。1997年2月~'98年1月登録。
対象患者 130例(ステント植込み例100例,大動脈冠動脈の静脈バイパスグラフト例30例)。30~80歳。狭心症の症状を発症している例,および冠動脈造影上で冠動脈径3.0~5.0mmの部位に病変長<47mmのステント再狭窄(血管径≧50%)を確認できる例。
除外例:最近(<72時間)の急性心筋梗塞,EF<20%,胸部への放射線治療既往,冠動脈造影で血栓が認められる例など。
治療法 血管造影および血管内エコーで病変長と血管径を確認。
γ線療法群(65例):線源から2mm離れた所で照射線量15Gyの192Ir照射,プラセボ群(65例)にランダム化。
結果 γ線療法群の方がプラセボ群より,TLR[9例(13.8%) vs 41例(63.1%),p=0.0001]および標的血管の血行再建術(TVR)[17例(26.2%) vs 44例(67.7%),p=0.0001]の再施行率は低かった。冠動脈造影上の再狭窄率もγ線療法群の方がプラセボ群より低かった(19% vs 58%,p=0.001)。
6か月および12か月後の死亡,Q波MI,TVRの発生率は19例(29.2%) vs 44例(67.6%),23例(35.3%) vs 44例(67.6%)とγ線療法群の方が低かった(p<0.001)。
★結論★ステント再狭窄患者におけるγ線療法は冠動脈造影上および臨床上の再狭窄を有意に抑制した。
文献
  • [main]
  • Waksman R et al for the Washington radiation for in-stent restenosis trial (WRIST) investigators: Intracoronary gamma-radiation therapy after angioplasty inhibits recurrence in patients with in-stent restenosis. Circulation. 2000; 101: 2165-71. PubMed
  • [substudy]
  • 6か月後~60か月後,γ線療法群はプラセボ群より標的病変の血行再建術率(p=0.04)および標的血管血行再建術率(p=0.03)が高かった。5年後γ線療法群の主要な有害事象は有意に低下した(p=0.008):Circulation. 2004; 109: 340-4. PubMed
  • 冠動脈内放射線療法が成功しなかった病変の冠動脈造影上の多くは,限局性再狭窄である:J Am Coll Cardiol. 2003; 41: 551-6. PubMed
  • ステント狭窄例へのステント再植込みは放射線療法の有無にかかわらず長期の有効性は期待できない:Circulation. 2002; 105: 2465-8. PubMed
  • γ線療法の再狭窄の有意な抑制効果は血管サイズを問わずに確認され,病変長を問わず抑制傾向がみられた。本効果は主に小血管,びまん性病変でみられた:J Am Coll Cardiol. 2002; 39: 1290-6. PubMed
  • 冠動脈再狭窄と放射線リボン設置部位(ステント内,リボンの部分,リボン辺縁部)の関係:J Am Coll Cardiol. 2002; 39: 274-80. PubMed

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収載年月2001.07
更新年月2004.04