循環器トライアルデータベース

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Assessment of Cardioversion Using Transesophageal Echocardiography

目的 心房細動患者において,従来の除細動実施前3週間の抗凝固療法と経食道心エコー検査による短期間の抗凝固療法の有効性を比較。一次エンドポイントは8週間以内の脳血管障害+一過性脳虚血発作+末梢動脈塞栓症。
コメント 心房細動除細動前に経食道心エコー検査を行うことにより,除細動までの待機期間を短縮することができる。(井上
デザイン 無作為割付け,多施設(70施設)。
期間 追跡期間は8週間。
対象患者 1222例。8歳以上。心房細動が2日以上継続している例。心房細動歴のある心房粗動。
除外基準:心房細動歴のない心房粗動,血行動態が不安定な例,warfarin長期(>7日)治療例。
治療法 経食道心エコー検査群(619例):最初の来院時に抗凝固療法を実施。入院患者;非分画heparinを静注(目標活性化部分トロンボプラスチン時間1.5~2.5倍)後,24時間以内に経食道心エコー検査で心房血栓がないことを確認した場合に除細動。外来患者;warfarin(目標INR 2.0~3.0)投与から5日後,経食道心エコー検査,除細動を行う。従来療法群(603例):除細動前にwarfarinを3週間投与。いずれの群も除細動後4週間warfarinを投与。
結果 塞栓イベントの発生率は両群間で有意差は認められなかった(経食道エコー検査群5例 vs 従来治療群3例,p=0.50)。しかし出血イベントの発生率は経食道エコー検査群で有意に低かった[18例(2.9%) vs 33例(5.5%),p=0.03]。同群では除細動までの平均時間が有意に短く(3.0日 vs 30.6日,p=0.001),洞調律への回復率も高かった[440例(71.1%) vs 393例(65.2%),p=0.03]。割付け8週間後の死亡率あるいは洞調律維持率,身体機能状態に両群間で差はみられなかった,
★結論★心房細動の管理に経食道心エコー検査を利用することは,電気的除細動施行予定例において,従来からの治療に代わる有効な治療法となる可能性がある。
文献
  • [main]
  • Klein AL et al for the assessment of cardioversion using transesophageal echocardiography investigators: Use of transesophageal echocardiography to guide cardioversion in patients with atrial fibrillaion. N Engl J Med. 2001; 344: 1411-20. PubMed
  • [substudy]
  • 経食道心エコー検査群は従来療法群に比べ初期のコストが高いが転帰に関連するコストが低いため,全体のコストとは両群で同様である:J Am Coll Cardiol. 2004; 43: 1217-24. PubMed
  • 洞調律自然回復例は,心房細動の継続期間が短く,NYHA心機能分類が低く,左房サイズが小さく,左房内モヤモヤエコーがなかった:J Am Coll Cardiol. 2003; 42: 1638-43. PubMed

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EBM 「循環器トライアルデータベース®」
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収載年月2001.07
更新年月2004.05