循環器トライアルデータベース

COPERNICUS
Carvedilol Prospective Randomized Cumulative Survival

目的 重症心不全患者において,β遮断薬carvedilolの生存率への効果を検討。一次エンドポイントは全死亡。
コメント 近年,慢性心不全に対するβ遮断薬治療に関する大規模臨床試験(US Carvedilol試験,CIBIS II,MERIT-HFなど)が次々と報告され,β遮断薬療法の位置付けが確立されつつあったが,重症の慢性心不全に対しての有効性は未検討であった。本試験により重症(NYHA III~IV度,EF<25%)の心不全でも有効であることが示され,重症度によらず慢性心不全に対するβ遮断薬の有効性が確立されたといえる。(
デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設(多国籍),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は平均10.4か月。
対象患者 2289例。安静時あるいは軽度の労作時に症状を有するもの,EF<25%。
除外基準:集中治療室の患者,有意な体液貯留,血管拡張薬あるいは陽性変力作用薬静注例。
治療法 carvedilol群(1156例):3.125mg×2回/日より投与を開始し2週間投与後,忍容性があれば2週間ごとに6.25mg×2回→ 12.5mg×2回/日,最終的に目標投与量25mg×2回/日とした。プラセボ群(1133例)。
carvedilolの生存率,死亡+入院に対する効果は,次の6サブグループで検討した:年齢(<65歳 vs ≧65歳),性別,EF(<20% vs ≧20%),心不全の原因(虚血 vs 非虚血性心筋症),施設の場所(北南米 vs 欧州,アジア,アフリカ,オーストラリア),試験開始前1年以内の心不全による入院の有無。
結果 carvedilolの生存率に対する有意な有効性により,データ安全監視委員会の勧告を受け試験は予定より早く終了した。
死亡数はcarvedilol群130例,プラセボ群190例で,carvedilol群で死亡リスクが35%有意に低下した(95%信頼区間 19-48%,p=0.0014)。
死亡+入院はcarvedilol群で425例,プラセボ群で507例とcarvedilol群でリスクが24%低下した。このcarvedilolの有効性は検討した全サブグループで同様に認められた。
有害事象あるいはその他の理由による脱落率はcarvedilol群の方が低かった。
★結論★軽症から中等症の心不全患者で認められているcarvedilolの死亡および合併症の発生予防効果が,重症心不全患者でも認められた。
文献
  • [main]
  • Packer M et al for the carvedilol prospective randomized cumulative survival study group: Effect of carvedilol on survival in severe chronic heart failure. N Engl J Med. 2001; 344: 1651-8. PubMed
  • [substudy]
  • N-terminal proBNP(NT-proBNP)は一貫して全死亡および全死亡あるいは心不全による入院のリスク上昇と関連:Circulation. 2004; 110: 1780-6. PubMed
  • 最初の8週間におけるcarvedilol群の死亡は19例で25例のプラセボ群と比べてハザード比(HR)は0.75,死亡あるいは入院のHRは0.85,死亡,入院,脱落は0.83:JAMA. 2003; 289: 712-8. PubMed
  • 現行治療にcarvediloを追加することにより,心不全の重症度が改善し,臨床上の悪化,入院およびその他の有害イベントのリスクが低下した:Circulation. 2002; 106: 2194-9. PubMed

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収載年月2001.06
更新年月2004.12