循環器トライアルデータベース

CAPRICORN
Carvedilol Post-infarct Survival Control in LV Dysfunction

目的 急性心筋梗塞後の左室機能不全患者において,β遮断薬carvedilolの合併症発症および死亡率に対する長期効果を検討。一次エンドポイントは全死亡+心血管疾患による入院。
コメント 最近の大規模臨床試験の結果によれば,慢性心不全に対するβ遮断薬治療によるリスク(死亡率)減少は30~40%であり,この成績に比べると今回の成績(リスク減少23%)は期待した程大きくなかったといえる。しかし,SAVE,AIRE試験におけるACE阻害薬の死亡率減少効果とほぼ同等の成績であり,今回の結果はACE阻害薬への上乗せ効果であることを考えるとその意義は大きい。(
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は平均1.3年。一次エンドポイントが633例確認されるまで。
対象患者 1959例。平均年齢63歳。3~21日に心筋梗塞(AMI)発症後3~21日に無作為化。EF≦40%,または壁運動スコア≦1.3。不耐例以外はACE阻害薬の併用(48時間以上の投与,24時間以上の安定投与)例に限定。
除外基準:利尿薬あるいは強心薬の静注継続が必要なコントロール不良の心不全,不安定狭心症,低血圧症(収縮期血圧<90mmHg),コントロール不良の高血圧,徐脈(心拍数<60回/分),不安定1型糖尿病。
■患者背景:平均EFは32.8%。急性期の治療に利尿薬静注を必要とした例は3分の1,硝酸薬は4分の3。がCE阻害薬投与例97%以上,aspirin 86%。
治療法 carvedilol群(975例):6.25mg/日より投与を開始し忍容性を認めたら1日2回投与に増量,4~6週間で最大用量25mg×2回/日,あるいはプラセボ群(984例)にランダム化。
結果 一次エンドポイントの発生はcarvedilol群で340例(35%),プラセボ群で367例(37%),ハザード比0.92(95%信頼区間0.80-1.07)と群間差はみられなかったが,全死亡のみでは116例(12%) vs 151例(15%),ハザード比0.77(0.60-0.98,p=0.03)とcarvedilol群で低かった。1年死亡率の絶対低下は2.3%,1年間に1例の死亡を予防するためのNNT(number needed to treat)は43人であった。
突然死,心血管死,非致死性MI,全死亡+非致死性MIの発生率もcarvedilol群の方が低かった。
★考察★急性心筋梗塞(AMI)後の左室収縮機能低下の長期治療例で,carvedilolは全死亡,心血管死,非致死性心筋梗塞の再発症を低下させた。ACE阻害薬を含む既存のAMI治療にcarvedilolを追加することにより,付加的治療効果が得られることを示したものである。
文献
  • [main]
  • Dargie HJ for the CAPRICORN investigators: Effect of carvedilol on outcome after myocardial infarction in patients with left-ventricular dysfunction; the CAPRICORN randomised trial. Lancet. 2001; 357: 1385-90. PubMed
  • [substudy]
  • 心房細動/粗動はcarvedilol群22例(2.3%),プラセボ群53例(5.4%)で,プラセボ群に比べたcarvedilol群のハザード比(HR)は0.41:95%信頼区間0.25~0.68(p=0.0003),心室頻拍/粗動/細動は9例(0.9%) vs 38例(3.9%),HR 0.24:0.11~0.49(p<0.0001):J Am Coll Cardiol. 2005; 45: 525-30. PubMed
  • 心エコーサブ解析(127例):左室収縮末期容積はcarvedilol群の方が9.2mL少なく(p=0.023),EFは3.9%高く(p=0.015),同群に左室リモデリング抑制効果が認められた:Circulation. 2004; 109: 201-6. PubMed

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収載年月2001.05
更新年月2005.05