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心房細動(AF),心房粗動(AFl)患者において,選択的Kチャネル遮断薬dofetilideの洞調律の回復・維持効果と安全性を検討。 |
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dofetilideは心房細動,粗動の洞調律化,および再発抑制に効果が期待できるが,催不整脈作用の存在,腎機能による投与量の調整などといった問題点がある。(井上) |
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無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。 |
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追跡期間は12か月。 |
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325例。18~85歳。2~26週間のAF(277例),AFl患者(48例)。 |
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dofetilide 125μg×2回/日群(82例),250μg×2回/日群(82例),500μg×2回/日群(77例),プラセボ群(84例)に割り付けた。 治療前に抗凝固療法を開始し,洞調律回復後3~4週間以上継続,試験期間中の継続も可とした。 最初の105例を登録した時点で,無作為化の用量をQTc延長,腎機能(クレアチニンクリアランス)で調整するようにプロトコールを変更した。 |
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洞調律比は,dofetilide 125μg群で6.1%,250μg群で9.8%,500μg群で29.9%,プラセボ群で1.2%であった(250μg群 vs プラセボ群:p=0.015,500μg群 vs プラセボ群:p<0.001)。dofetilideにより70%が24時間で洞調律化達成,91%が36時間で達成した。250例が薬理学的,電気的に洞調律化され,1年後の洞調律維持の確率は,125μg,250μg,500μg,プラセボ群でそれぞれ0.40,0.37,0.58,0.25(500μg群 vs プラセボ群:p=0.001)。 torsade de pointesが2例(実薬群の0.8%),うち1例は2日目,もう1例は3日目に発生。不整脈死が1例(実薬群の0.4%)発生した。 ★結論★新しいIII群抗不整脈薬であるdofetilideはAF,AFlを洞調律に回復させる効果が中等度にみられ,1年間の洞調律維持効果はプラセボより高い。入院中に開始し,QTcおよびクレアチニンクリアランスに基づく投与量の調整により催不整脈作用を最小にする必要がある。 |
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- [main]
- Singh S et al for the dofetilide atrial fibrillation investigators: Efficacy and safety of oral dofetilide in converting to and maintaining sinus rhythm in patients with chronic atrial fibrillation or atrial flutter; the symptomatic atrial fibrillation investigative research on dofetilide (SAFIRE-D) study. Circulation. 2000; 102: 2385-90. PubMed
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