循環器トライアルデータベース

HERO
Hirulog Early Reperfusion/Occlusion

目的 急性心筋梗塞患者において,梗塞関連動脈の早期の完全な再灌達成のための抗トロンビン薬hirulog 2用量の安全性と有効性をheparinと比較。一次エンドポイント:90~120分後の開存性(TIMI grade 3)。二次エンドポイント:2~3日後の開存性;心筋梗塞の既往のない患者の2~3日後の左室機能,駆出分画,収縮末期容量,局所壁運動;35日後の死亡,脳卒中,再梗塞,心原性ショック。
コメント 急性心筋梗塞の再灌流法の再狭窄予防に,抗トロンビン薬の有効性が示された。(井上
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(5か国26施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は35日。
対象患者 412例。平均年齢62歳。2つ以上の肢誘導で1mm以上のST上昇があり,梗塞発症から12時間以内の患者。男性75%。
治療法 入院後直ちにaspirin150~325mgを投与し(以後毎日継続),streptokinase 150万単位を30~60分かけて投与した後,次の3群にランダム化。
heparin群(140例):5000単位をボーラス静注後,1000単位/時(体重<80kgの場合)または1200単位/時(≧80kg)を60時間まで点滴。低用量hirulog群(136例):0.125mg/kgをボーラス静注後,0.25mg/kg/時を12時間点滴,次いで0.125mg/kg/時を60時間まで点滴。高用量hirulog群(136例):0.25mg/kgをボーラス静注後,0.5mg/kg/時を12時間点滴,次いで0.25mg/kg/時を60時間まで点滴。
結果 一次エンドポイント達成率は,heparin群で35%[95%信頼区間(CI):28-44%),低用量hirulog群で46%(38-55%),高用量hirulog群で48%(40-57%)(heparin群 vs hirulog群:p=0.023,heparin群 vs 高用量hirulog群:p=0.03)。48時間後の再閉塞は,heparin群で7%,低用量hirulog群で5%,高用量hirulog群で1%(有意差なし)。35日後の死亡,心原性ショック,再梗塞はheparin群で25例(17.9%),低用量hirulog群で19例(14%),高用量hirulog群で17例(12.5%)であった(有意差なし)。脳卒中の発生はheparin群で2例,低用量hirulog群で0例,高用量hirulog群で2例。大出血はheparin群で28%,低用量hirulog群で14%,高用量hirulog群で19%であった(heparin群 vs 低用量hirulog群:p<0.01)。
文献
  • [main]
  • White HD et al on behalf of the hirulog early reperfusion/occlusion (HERO) trial investigators: Randomized, double-blind comparison of hirulog versus heparin in patients receiving streptokinase and aspirin for acute myocardial infarction (HERO). Circulation. 1997; 96: 2155-61. PubMed
  • [substudy]
  • 初期のQ波は早期の狭窄血管の開存にもかかわらず,ST波の完全な回復の遅延および不完全な回復を予測し,筋細胞の再灌流の低下を反映している:Eur Heart J. 2002; 23: 1449-55. PubMed
  • ST上昇軽快の意義:梗塞責任冠動脈が再灌流され開存性が良好な例で,早期にST上昇が軽快した例では壁運動の回復も良好である:Circulation. 2000; 101: 2138-43. PubMed

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収載年月2001.04
更新年月