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急性虚血症候群において,カテーテルを積極的に使用している国と伝統的なアプローチを採用している国で転帰を比較。また心カテーテル設備を有する病院に入院した場合と,同設備のない病院に入院した場合の転帰を比較。 |
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多施設。 |
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追跡期間は6か月。登録期間は1995年から'96年。 |
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連続した7987例。不安定狭心症またはST上昇を伴わない心筋梗塞(MI)が疑われる患者。6か国95病院より登録。 |
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急性の虚血性胸痛の発生から48時間以内の入院患者について,臨床的背景,治療法,イベントのデータを収集,解析。 |
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全侵襲および血行再建術の施行率は,ブラジルと米国で高く,カナダとオーストラリアがこれに続き,ハンガリーとポーランドでは低かった。心血管死およびMIの発生率に各国間に有意差はみられなかった[7日後の全体の発生率は4.7%(3.7~5.6%),6か月後11%(9~12%)]。侵襲的施行術の施行率最高(59%)の国とその他の国(21%)の間で,心血管死およびMIの発生率に違いはなかった(補正後オッズ比:7日後0.88,6か月後1.0,p=0.69)。ブラジルと米国における脳卒中の発生率は,その他の国に比べ高かったが(補正後オッズ比:7日後3.0,p=0.012,6か月後1.8,p=0.004),7日後の不安定狭心症の発生率は低く(0.7,p<0.001),6か月後の不安定狭心症による再入院率も低かった(0.63,p<0.001)。心カテーテル設備のある病院における6か月後の心血管死およびMIの発生率は,ない病院と比べた補正後オッズ比0.83(10.6% vs 12.5%,p=0.05),6か月後の狭心症の再発については1.25(19.3% vs 16.1%,p=0.09)であった。 侵襲的施行術および血行再建術の施行率の高さは,狭心症の再発および不安定狭心症による入院率の低下と関連。心血管死およびMIは低下しなかったが,脳卒中は増加した。無作為試験は不安定狭心症における保守的治療と,侵襲的心治療および血行再建術への積極的アプローチの相対インパクトを検討すべきである。 |
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- [main]
- Yusuf S et al for the OASIS (organisation to assess strategies for ischaemic syndromes) registry investigators: Variations between countries in invasive cardiac procedures and outcomes in patients with suspected unstable angina or myocardial infarction without initial ST elevation. Lancet. 1998; 352: 507-14. PubMed
- [substudy]
- registry 8013例のうち1718例(21%)が糖尿病であり,非糖尿病患者よりもバイパス術の施行率が高かったが(23% vs 20%,p<0.001),カテーテル検査および血管形成術の施行率は同様であった。糖尿病は死亡(相対リスク1.57,95%信頼区間 1.38-1.81,p<0.001),心血管死,心筋梗塞,脳卒中,うっ血性心不全の独立した予測因子であった:Circulation. 2000; 102: 1014-19. PubMed
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