循環器トライアルデータベース

VANQWISH
Veterans Affairs Non-Q-Wave Infarction Strategies in Hospital

目的 急性非Q波梗塞患者において,侵襲的治療(冠動脈造影に続いて血行再建術)と保存的治療群(薬物療法,非侵襲検査)の効果を比較検討。一次エンドポイントは死亡+非致死性梗塞の発生。
コメント 非Q波梗塞では保存的治療群が侵襲的治療群に比して死亡,非致死性梗塞が少ないという結果である。しかし疾患の性格上,非常に高リスクの非Q波梗塞患者は除かれていることに注意する必要がある。侵襲的治療群で死亡率が高いのは主にCABGによるものであり,PTCA施行例では死亡は0であることも注目すべきである。(桑島
デザイン 無作為,多施設,intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は平均23か月。実施期間は1993年~'96年。
対象患者 920例。非Q波梗塞発症後24~72時間以内。
治療法 侵襲的治療群 462例,あるいは保存的治療群 458例に割付けた。保存的治療群は発症から72時間以内に行い,自然発症あるいは誘発性虚血が発症した場合は侵襲的治療を行う。
結果 一次エンドポイントの発生数は,侵襲群で138人で152イベント(死亡 80例,非致死性梗塞 72例),保存的治療群で123人で139イベント(死亡 59例,非致死性梗塞 80例,p=0.35)。侵襲群では追跡1年間で転帰が悪化した。退院時において,死亡あるいは非致死性梗塞の発生数(36例 vs 15例,p=0.004),および死亡数(21例 vs 6例,p=0.007)は侵襲群の方が多かった。なお1か月目の発生は各48例 vs 26例(p=0.012),23例 vs 9例(p=0.021),1年目は111例 vs 85例(p=0.05),58例 vs 36例(p=0.025)であった。全体の死亡率に群間差はみられなかった(ハザード比0.72,95%信頼区間 0.51-1.01)。
文献
  • [main]
  • Boden WE et al: Outcomes in patients with acute non-Q-wave myocardial infarction randomly assigned to an invasive as compared with a conservative management strategy. Veterans Affairs non-Q-wave infarction strategies in hospital (VANQWISH) trial investigators. N Engl J Med. 1998; 338: 1785-92. PubMed
  • [substudy]
  • 虚血再発の客観的症状を発症した例への虚血確認後の選択的冠動脈造影および血行再建術は,合併症のないNQWMI後のルーチン冠動脈造影よりも経済効果が高い:Circulation. 2002; 105: 680-4. PubMed
  • VQWMI後早期の冠動脈造影は重症閉塞性CADを認定するが,1枝責任病変の確認率は<50%:J Am Coll Cardiol. 2002; 39: 1456-63. PubMed
  • 侵襲群で優位性が認められたFRISC-II試験での侵襲術へのクロスオーバーのための負荷試験基準を本試験における適合例に適用して検討すると,FRISC-IIの過度に厳格なリスク層別基準は,同定できた例と同数の侵襲術の冠動脈疾患(CAD)を同定できなかった可能性がある:J Am Coll Cardiol. 2002; 39: 1601-7. PubMed
  • 血栓溶解療法後NQWMIを発症した症例での死亡は,侵襲的治療群で11例,保存的治療群で2例:J Am Coll Cardiol. 2001; 37: 19-25. PubMed
  • 心筋梗塞既往例は非Q波梗塞(NQWMI)発症の中等度の高リスクである:Eur Heart J. 2000; 21: 2014-25. PubMed

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収載年月2000.09
更新年月2002.06