循環器トライアルデータベース

AFCAPS/TexCAPS
Air Force/Texas Coronary Atherosclerosis Prevention Study

目的 冠動脈心疾患既往のないHDL-C平均未満の例におけるHMG-CoA reductase阻害薬の効果を検討。一次エンドポイント:コレステロール低下による冠動脈イベント[全心筋梗塞(MI),不安定狭心症,心原性突然死]の初発の減少。二次エンドポイント:PTCA/CABG,不安定狭心症。三次エンドポイント:安全性。
コメント 平均的コレステロール値の患者でもHDL-C値が低下している場合は,LDL-Cの25%低下で冠動脈イベントの初発抑制効果があることが証明された。心血管疾患を有していない患者における治療基準についてもHDL-Cについて斟酌する必要があるとともに,初発抑制の基準についても,再考する必要があるものと思われる。(寺本
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(2施設・アメリカのoutpatient clinic),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は平均5.2年。
対象患者 6605例。男性45~73歳,女性55~73歳で平均的血清脂質値で心血管疾患を有していない患者。
治療法 HMG-CoA reductase阻害薬lovastatin群3304例,プラセボ群3301例にランダム化。lovastatin群はlovastatinを20~40mg/日投与。
結果 lovastatin群ではベースラインに比して総コレステロール(TC)-18%,LDL-C -25%,HDL-C +6%,TC/HDL-Cは-22%,LDL-C/HDL-Cは-28%の効果。一次エンドポイント:lovastatin群で116例,プラセボ群で183例,相対リスク0.63と実薬群で有意に減少した(p<0.001)。二次エンドポイント:プラセボ群で849例,lovastatin群で608例。MIは95例 vs 57例,不安定狭心症は87例 vs 60例,PTCA/CABGは157例 vs 106例,冠動脈イベントは215例 vs 163例,心血管イベントは255例 vs 194例であった。安全性において両群間に違いはみられなかった。
★結論★TC,LDL-Cが平均値,HDL-Cが低値の男女において,lovastationは急性の主要冠動脈イベント初発のリスクを低下した。本結果はリスク因子の評価にHDL-Cを含むことを支持し,National Education Programガイドラインの薬物療法の見直しの必要が示唆される。
文献
  • [main]
  • Downs JR et al for the AFCAPS/TexCAPS research group: Primary prevention of acute coronary events with lovastatin in men and women with average cholesterol levels; results of AFCAPS/TexCAPS. JAMA. 1998; 279: 1615-22. PubMed
  • [substudy]
  • ホモシステインは冠動脈イベントを予測するが,低値~通常値のLDL-C例ではホモシステイン測定によるスタチン療法の有効性は期待できない:Circulation. 2002; 105: 1776-9. PubMed
  • lovastatinの長期忍容性および安全性:平均5.2年後の死亡数157例(lovastatin群80例,プラセボ群77例,相対リスク1.04)。癌発生率および非心血管有害事象による投与中止率において群間差なし:Am J Cardiol. 2001; 87: 1074-9. PubMed
  • スタチン治療は比較的脂質値が低いながらもCRP(C-reactive protein)上昇例において,冠動脈イベントの一次予防効果がある可能性がある:N Engl J Med. 2001; 344: 1959-65. PubMed
  • 主要な冠動脈イベントの初発とベースラインおよび治療時の脂質パラメータの関係:Circulation. 2000; 101: 477-84. PubMed
  • National Cholesterol Education Programのガイドラインによるdrug-eligible例(イベント発生率:lovastatin群1%/年,プラセボ群1.87%/年,相対リスク0.53)は,non-eligible例(lovastatin群0.62%/年,プラセボ群0.93%/年,相対リスク0.67)より主要な急性冠動脈イベントの絶対リスクが高かった。欧州の冠動脈リスク管理のガイドライン使用の場合も同様の結果:Eur Heart J. 2000; 21: 1627-33. PubMed

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EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
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収載年月1999.09
更新年月2002.06