循環器トライアルデータベース

ACCESS
Acute Candesartan Cilexetil Evaluation in Stroke Survivors

目的 脳梗塞急性期において,早期の緩やかな降圧療法の安全性を検討。一次エンドポイントは3か月後の死亡および障害,合併症。
コメント カンデサルタン群の発症後7日目における降圧度はプラセボ群と同様であったにも関わらず,12か月後の死亡率はプラセボ群よりも低かった。このことは脳卒中急性期における早期のRA系の抑制が降圧に関わりなく臓器保護につながることを示唆している。脳卒中急性期における降圧薬の投与は議論の分かれるところであるが,本研究は急性期のARB投与はプラセボ以上の降圧をもたらすことはないが,長期的予後の改善はもたらすとしている。Ca拮抗薬の投与はどうなのかが知りたいところである。(桑島
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設,phase II。
期間 追跡期間は12か月。
対象患者 342例。登録から6~24時間後の収縮期血圧/拡張期血圧≧200/110mmHg,または24~36時間後≧180/105mmHg。
除外基準:CTスキャンによる頭蓋内出血,>85歳,内頸動脈の閉塞あるいは>70%の狭窄,悪性高血圧,心不全(NYHA III~IV度)など。
■患者背景:平均年齢;candesartan群68.3歳,プラセボ群67.8歳,登録時血圧→試験開始時血圧;196/103mmHg→ 188/99mmHg,199/102mmHg→ 190/99mmHg,男性;50%,52%,冠動脈心疾患;22%,19%,糖尿病;39%,35%,高脂血症;43%,45%,症状発症から試験開始までの時間;29.9時間,29.7時間。
治療法 AII受容体拮抗薬candesartan cilexetil群(175例):4mg/日で投与を開始し,>160/100mmHgの場合は2日目に8~16mg/日に増量,プラセボ群(167例)にランダム化。
目標降圧は24時間以内の10~15%低下とし,初日あるいは2日目に>230/110mmHgが30分間を超える場合,3日目以降に>200/110mmHgが30分を超える場合は,α遮断薬urapidilを投与することとした。
全例,ランダム化の前に頸動脈超音波を実施,7日目に24時間血圧を測定した。
結果 エンドポイントの発生においてcandesartan群が有効であったため,安全委員会の推奨により予定より早く試験終了。
解析数は339例(candesartan群173例,プラセボ群166例)。
プラセボ群中164例は,7日目の24時間血圧で高血圧状態が持続していたためcandesartanを投与。
試験開始前と3か月後のバーセル指数(日常生活動作を項目別に点数化して評価する方法)の変化において,両群とも有意な差は認められなかった(candesartan群60.0→ 87.0,プラセボ群64.1→ 88.9)。
二次エンドポイントである退院から12か月後の死亡はcandesratan群5例(2.9%),プラセボ群12例(7.2%)(p=0.07),血管イベントも17例(9.8%) vs 31例(18.7%)とcandesartan群が有意に低かった(p=0.026)。イベントの内訳は心血管イベント2例 vs 10例,脳血管イベント13例 vs 19例,非心血管イベント1例 vs 1例,肺塞栓1例 vs 1例。死亡と血管イベントのオッズ比は0.475(95%信頼区間0.252-0.895)。
併用薬および副作用に関して両群間に有意差はなかった。
★結論★早期の神経液性因子の阻害は脳虚血および心筋虚血に対し同様の有効性を示した。低血圧症による心血管および脳血管イベントが発症しなかったことは臨床上非常に重要である。脳梗塞急性期に早期の降圧治療が必要な場合,禁忌でなければ,candesartanは安全な治療選択である。
文献
  • [main]
  • Schrader J et al on behalf of the ACCESS study group: The ACCESS study; evaluation of acute candesartan cilexetil therapy in stroke survivors. Stroke. 2003; 34: 1699-703. PubMed

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収載年月2000.09
更新年月2003.09