循環器トライアルデータベース

INSIGHT
International Nifedipine GITS Study: Intervention as a Goal in Hypertension Treatment

目的 高血圧高リスク患者において,心血管疾患合併症発生および死亡抑制効果を,Ca拮抗薬nifedipine GITSと配合利尿薬とで比較。一次エンドポイントは心血管死,心筋梗塞(MI),心不全あるいは脳卒中。
コメント リスク因子を1つ以上有している高血圧例に対してCa拮抗薬と利尿薬を比較した初めての試験である。Ca拮抗薬は代謝系の悪影響がないという点で使いやすいという,日常での経験が実証された。ただし心不全の発症が多いのは下腿浮腫を心不全と診断された可能性がある。Mancia博士によると,両群とも単剤でかなりの症例が140/90mmHg未満に降圧することができたのが本試験の特徴だが,利尿薬群では高用量用いる結果となり,新規糖尿病,高尿酸血症などの代謝系副作用の発生が有意に多くなった。今後,サブ解析ではQOLなどについて検討する予定とのこと。(桑島
デザイン 無作為,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は4年。
対象患者 6321例。55~80歳。欧州8か国とイスラエルの血圧≧150/95mmHg,または拡張期血圧(DBP)にかかわらず収縮期血圧(SBP)≧160mmHgで,高血圧以外に心血管疾患発症リスクを1つ以上有する症例。
治療法 1日1回型nifedipine GITS群(30mg/日,3157例)と配合利尿薬群(hydrochlorothiazide 25mg+amiloride 2.5mg,3164例)に無作為化。降圧が<20/10mmHgあるいは血圧が>140/90mmHgの場合,各薬剤を倍量,さらにatenolol(25~50mg)かenalapril(5~10mg)を追加投与。
結果 一次エンドポイントの発生はnifedipine群で200例(6.3%),利尿薬群で182例(5.8%):18.2 vs 16.5/1000人・年,相対リスク1.1(95%信頼区間0.91-1.34)で有意差はなかった。全体の平均血圧は173/99mmHgから138/82mmHgへ降圧。
副作用による脱落はnifedipine群で有意に多かったが(725例 vs 518例,p<0.0001),大部分下腿浮腫によるものであった。低カリウム血症,低ナトリウム血症,腎不全,尿酸上昇,高血糖など代謝系の副作用はいずれも利尿薬群で有意に多かった。個々の合併症をみると,MI,脳卒中,突然死,他の心血管疾患死の発生は両群で差はないが,心不全はnifedipine群で有意に多かった。
INSIGHTのホームページ
http://www.insight-study.com
文献
  • [main]
  • Brown MJ et al: Morbidity and mortality in patients randomised to double-blind treatment with a long-acting calcium-channel blocker or diuretic in the international nifedipine GITS study; intervention as a goal in hypertension treatment(INSIGHT). Lancet. 2000; 356: 366-72. PubMed
  • [substudy]
  • 総頸動脈内膜-中膜肥厚の進展(nifedipine群で進展はなく利尿薬群で進展した。血管径の縮小は利尿薬群の方が大きかった):Circulation. 2001; 103: 2949-54. PubMed

▲pagetop
EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
ご不明の点はお問い合わせください
収載年月1999.09
更新年月2001.08