循環器トライアルデータベース

MERIT-HF
Metoprolol CR/XL Randomised Intervention Trial in Congestive Heart Failure

目的 EFが低下した症候性心不全患者において,1日1回服用型β遮断薬metoprolol CR/XLの効果を検討。
一次エンドポイントは全死亡,および全死亡あるいは全入院。
コメント metoprolol徐放錠が慢性心不全患者の死亡率,突然死,心不全悪化による入院を低下させ,NYHA心機能分類も改善した。慢性心不全に対するβ遮断薬の有効性が確立した。(
デザイン 無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設(欧州13か国313施設),intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は平均1年。実薬群の有効性が顕著なため1998年10月31日予定より早く中止。
対象患者 3991例。NYHA II~IV度,EF≦0.40。
治療法 metoprolol CR/XL群(1990例):NYHA III~IV度は12.5mg/日,II度は25.0mg/日投与,あるいはプラセボ群(2001例)にランダム化。目標投与量 200mg/日まで8週間にわたり漸増投与した。
結果 1.全死亡率はmetoprolol群のほうがプラセボ群より低かった[145例:7.2% vs 217例:11.0%,相対リスク(RR)0.66:95%信頼区間(CI)0.53-0.81,補正後p=0.0062]。突然死もmetoprolol群のほうが低かった(79例 vs 132例,RR 0.59:95%CI 0.45-0.78,p=0.0002)。また心不全悪化による死亡数もmetoprolol群のほうが低かった(30例 vs 58例,RR 0.51:95%CI 0.33-0.79,p=0.0023)。
2.全死亡+全入院の発生数は,metoprolol群で641例,プラセボ群で767例であった(リスク低下19%,95%CI 10-27%,p<0.001)。全死亡あるいは心不全悪化による入院は311例 vs 439例(リスク低下31%,95%CI 20-40%,p<0.001),心不全悪化による入院は317例 vs 451例(p<0.001),入院延べ日数は3401日 vs 5303日(p<0.001)であった。NYHA分類は医師による評価でmetoprolol群の方が改善し(p=0.003),McMaster Overall Treatment Evaluation scoreでも metoprolol群が改善した(p=0.09)。
文献
  • [main]
  • 1. MERIT-HF study group: Effect of metoprolol CR/XL in chronic heart failure; metoprolol CR/XL randomised intervention trial in congestive heart failure (MERIT-HF). Lancet. 1999; 353: 2001-7. PubMed
  • 2. Hjalmarson A et al for the MERIT-HF study group: Effects of controlled-release metoprolol on total mortality, hospitalizations, and well-being in patients with heart failure; the metoprolol CR/XL randomized intervention trial in congestive heart failure (MERIT-HF). JAMA. 2000; 283: 1295-302. PubMed
  • [substudy]
  • 慢性心不全(620例:非虚血性30%)の白血球の平均テロメア長比は0.64で,対照(健康な183例)1.05に比べ有意に短かった(p<0.001)。またテロメア長は加齢に伴い短くなり,心不全の重症度と相関した。非虚血性に比べ虚血性の方がテロメア長は短く,動脈硬化性合併症の数の増加および重症度に伴い短くなった:J Am Coll Cardiol. 2007; 49: 1459-64. PubMed
  • 女性例(898例,重症心不全;NYHA III/IV度,EF<0.25は183例)にもmetoprololの有効性は認められた:Circulation. 2002; 105: 1585-91. PubMed
  • metoprolol CR/XL高用量群(1202例:>100mg,平均投与量192mg)と低投与量群(412例:≦100mg,平均投与量76mg)での心拍数への影響:J Am Coll Cardiol. 2002; 40: 491-8. PubMed
  • metoprololによる免疫系への影響:心不全患者では,TNF-α,IL-6,IL-8,MCP-1およびsIL-2(可溶性インターロイキン2)の増加を認めるが,metoprolol投与によりsIL-2のみ一過性に低下した:Am Heart J. 2001; 141: 418-21. PubMed
  • 重症例(NYHA III/IV,EF<0.25)での死亡および心不全悪化による入院の抑制効果は全例での有効性と同様であった:J Am Coll Cardiol. 2001; 38: 932-8. PubMed
  • 左室(LV)サイズと機能への影響:metoprololはLV拡張・収縮終末期容量係数を有意に低下し,EFを上昇し,抗リモデリング効果が認められた:J Am Coll Cardiol. 2000; 36: 2072-80. PubMed

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収載年月2000.09
更新年月2007.05