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CABG施行患者において,積極的にLDL-Cを低下させた場合と中等度に低下させた場合,およびwarfarinを投与した場合の伏在静脈グラフト(SVGs)における狭窄病変を比較検討。一次エンドポイントは疾患の進行。 |
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無作為,プラセボ対照,2×2 factorial,多施設,intention-to-treat解析。 |
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追跡期間は平均4.3年。 |
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1351例。平均年齢61.5歳(21~74歳)。2つ以上のSVGsを植込んで1~11年の患者。冠動脈造影でグラフト開存が1つ以上見られるもの。LDL-Cが130~175mg/dL,トリグリセリド<300mg/dL。 |
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LDL-C積極低下群(676例):LDL-Cを60~85mg/dLまで低下。HMG-CoA reductase阻害薬lovastatinを40mg/日投与。LDL-C<60mg/dLになったら減量。中等度低下群(675例):LDL-Cを130~140mg/dLまで低下。lovastatinを2.5mg/日投与。LDL-C<130mg/dLになったら減量。積極低下群においてLDL-C>95mg/dLの場合および中等度低下群でLDL-C>160mg/日の場合,高脂血症用薬cholestyramine 8g/日を追加投与。 低用量抗凝固薬warfarin(1mg/日)群674例,あるいはプラセボ群677例。INRが2.0以上でなければ4mg/日まで増量。全症例に抗血小板薬aspirin 81mg/日投与を奨励した。 |
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積極群の平均LDL-C値は93~97mg/dL,中等度群は132~136mg/dL(p<0.001)。死亡数は積極群で32例/心血管死は22例,中等度群35例/20例,warfarin群28例/20例,プラセボ群39例/22例。グラフトにおけるアテローム性動脈硬化の進行率は積極群で27%,中等度群で39%(p<0.001)。血行再建術の施行率は積極群6.5%,中等度群9.2%で,積極群の方が29%低かった(p=0.03)。平均INRはwarfarin群で1.4,プラセボ群で1.1(p<0.001)。warfarin群とプラセボ群で冠動脈造影上の有意差は認められなかった。 |
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- [main]
- The post coronary artery bypass graft trial investigators: The effect of aggressive lowering of low-density lipoprotein cholesterol levels and low-dose anticoagulation on obstructive changes in saphenous-vein coronary-artery bypass grafts. N Engl J Med. 1997; 336: 153-62. PubMed
- [substudy]
- BMI高値はCABG後のアテローム性疾患の進展と強く関連した。LDL-C積極低下治療は肥満によるCADの進展に防御的に作用する可能性がある:J Am Coll Cardiol. 2008; 52: 620-5. PubMed
- 積極脂質低下療法は中等度低下療法に比べて,左冠動脈主幹部のアテローム性動脈硬化の進行を有意に抑制する:Circulation. 2001; 104: 2660-5. PubMed
- 伏在静脈グラフトのアテローム性動脈硬化進展の予後因子:J Am Coll Cardiol. 2000; 36: 1877-83. PubMed
- 積極脂質低下療法の長期(最終 visitからおよそ3年後)予後における有効性は,冠動脈造影で確認されたグラフト内のアテローム性動脈硬化の進展遅延と一致:Circulation. 2000; 102: 157-65. PubMed
- 積極脂質低下療法のアテローム性動脈硬化の進行を遅延させる効果は,年齢,性および冠動脈心疾患のリスク因子の有無による差は認められなかった:Circulation. 1999; 99: 3241-7. PubMed
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