循環器トライアルデータベース

ABACAS
Adjunctive Balloon Angioplasty after Intravascular Ultrasound-guided Optimal Directional Coronary Atherectomy Study

目的 症候性冠動脈疾患患者において,DCA(directional coronary atherectomy)+adjunctive balloon angioplasty(バルーン追加拡張)の場合とDCAのみの場合の効果を比較検討。また血管内超音波による病変観察後(IVUS-guided)に,より積極的にDCAを行う場合の転帰を検討。

一次エンドポイントは6か月後の冠動脈造影による>50%の再狭窄。
コメント 本試験は日本の12施設で行われた。米国でのBOAT,OARS trialと並びaggresive DCAの有用性を示し,それ以前のCAVEAT trialの“負の遺産”を払拭した。BOAT,OARS trialとの相違は全例にIVUSを用いたことで,残存プラーク面積は42.6~45.6%と最も“aggressive”な成績で,かつ合併症は最も少なかった。また,BOAT,OARS trialが80%以上の症例で追加バルーン拡張を行い,より大きな内腔を獲得することでその有用性を示したのに比し,本試験では追加バルーン拡張が内腔獲得には有用であっても,慢性期の成績には影響しないことを示した。(中野中村永井
デザイン 無作為割付け,多施設(日本の12施設)。
期間 追跡期間は平均6.9か月。実施期間は1994年12月~'95年9月。
対象患者 214例。20~80歳。狭窄度≧75%および<100%,および病変長≦15mm。
治療法 IVUS-guided DCAを施行した225例中,冠動脈造影で至適な粥腫切除が可能だった214例を,バルーン追加拡張群(108例)あるいはDCA単独群(106例)にランダム化。
結果 定量的冠動脈造影による分析で,バルーン追加拡張群において最小血管径(MLD)が改善し(2.88±0.48mm vs 2.6±0.51mm, p=0.006),残存狭窄率が低かった(10.8% vs 15%, p=0.009)。定量的超音波分析によると,PTCA併用群において,MLDはより大きく(3.26±0.48 vs 3.04±0.5mm, p<0.001),残存プラーク量は少なかった(42.6% vs 45.6%, p<0.001)。バルーン追加拡張による初期の改善にもかかわらず,6か月後の冠動脈造影および臨床結果に差は認められなかった。再狭窄率はバルーン追加拡張群で23.6%,DCA単独群で19.6%,標的病変の血行再建術の再施行率は20.6% vs 15.2%といずれも有意差はみられなかった。
文献
  • [main]
  • Suzuki T for the ABACAS investigators: Effects of adjunctive balloon angioplasty after intravascular ultrasound-guided optimal directional coronary atherectomy; the result of adjunctive balloon angioplasty after coronary atherectomy study (ABACAS). J Am Coll Cardiol. 1999; 34: 1028-35. PubMed

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収載年月2000.09