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急性心筋梗塞(AMI)患者における,血栓溶解薬rt-PAおよびrt-PA+緊急PTCAの有用性を5年生存率で検討。 |
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AMI患者の入院中の死亡率はrt-PAにより改善し,その有効性は5年後まで継続することが示された。一方,immediate PTCAは有効ではなかった。しかしTIMI grade 2以下とTIMI grade 3で死亡率に差が認められたことから,ステント併用による予後改善の可能性も期待される。(中野・中村・永井) |
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無作為,二重盲検。 |
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追跡期間は5年。実施期間は1986年5月から'87年10月まで。 |
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1088例。37~69歳(中央値57歳)。心電図で心筋梗塞を認めた発症後5時間以内の患者。 |
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無作為に次の2試験に割付け。1)rt-PAの効果を検討。a:プラセボ群(366例)とb:rt-PA群(355例)に二重盲検にて割付け,2)緊急PTCAの効果を検討するために,c:rt-PA群(184例)とd:rt-PA+PTCA群(183例)に割付け。b群はrt-PA(alteplase)100mgを3時間静注し,a,b両群の全例にaspirinを250mg,heparinを5000単位ボーラス投与後,1000単位連続静注。d群は1枝病変で完全閉塞または残存狭窄が60%以上の場合にPTCAを施行。c,d両群の全例でrt-PA100mgを3時間静注。heparinまたはクマリン系抗凝固薬(warfarinなど)による抗凝固療法,aspirin投与を退院時まで継続。 |
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b群の入院中の死亡率はa群より低く(2.5% vs 5.7%, p=0.04),c群もd群より低い傾向があり(2.2% vs 6.0%, p=0.07),rt-PA群で低かった。退院後の死亡率はa群10.7%,b群11.0%,rt-PA単独投与のc群とd群の死亡率は8.9% vs 10.5%といずれも有意差はなかった。TIMI grade 2の予後はgrade 0と同程度だったが,grade 3は良好であった。死亡予測因子は,梗塞サイズ,残存左室機能,病変枝数および退院時TIMI grade。 |
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- [main]
- Lenderink T et al for the European cooperative study group: Benefit of thrombolytic therapy is sustained throughout five years and is related to TIMI perfusion grade 3 but not grade 2 flow at discharge. Circulation. 1995; 92: 1110-6. PubMed
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