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心不全患者においてβ遮断薬bisoprolol投与の効果を一次エンドポイント:全死亡,二次エンドポイント:心血管死亡,入院,脱落で検討。 |
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bisoprololによる死亡リスク低下が明らかであったため試験途中で中止となった。5mgまでbisoprololを用いた少数例のCIBIS試験では,心機能の改善を認めたものの総死亡,突然死の抑制効果は有意ではなかった。また,CIBIS試験では非虚血性心疾患患者で死亡率が低下したが,本試験では原因疾患によらず有効で,最も効果が明らかなのはNYHA III度の虚血性心疾患による心不全であった。ACE阻害薬服用中の患者でも重症度,虚血などの病因によらず予後を改善し,さらに突然死を減少した点で重要である。(堀) |
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無作為割付け,プラセボ対照,二重盲検,多施設,intention-to-treat解析。 |
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追跡期間は平均1.3年。 |
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2647例。平均年齢61歳,NYHA III~IV度,EF≦35%。 |
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bisoprolol群1327例とプラセボ群1320例に割付け。bisoprolol群は1.25mg/日より投与開始。忍容性があれば2.50, 3.75, 5.00, 7.50, 10.00mgに順次増量された。試験期間中は,最大耐用量を維持し,慢性心不全が増悪する場合には,心不全治療薬の変更を第一選択とした。利尿薬,ACE阻害薬は必ず使用し,digitalisの併用は可能とした。ACE阻害薬に不耐の場合,その他の血管拡張薬の併用を許可。 |
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全死亡率は,プラセボ群228例(17.3%),bisoprolol群156例(11.8%)で,年間死亡率はプラセボ群13.2%,bisoprolol群8.8%とbisoprolol群で有意に低値であるため(p<0.0001),本試験は途中で中止となった。またbisoprolol群では,心血管性死亡,入院のリスクも有意に低減した。この効果は,心不全の重症度,心不全の原因(DCM,虚血性,不明)にかかわらずどの群でも認められた。さらにbisoprololは心不全悪化による入院,突然死をともに抑制した。 |
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- [main]
- CIBIS-II investigators and committees: The cardiac insufficiency bisoprolol study II (CIBIS-II); a randomised trial. Lancet. 1999; 353: 9-13. PubMed
- [substudy]
- bisoprololの死亡抑制効果は,すべての忍容量群(低用量:2.5あるいは3.75mg/日・434例,中等量:5あるいは7.5mg/日・328例,高用量:10mg/日)で認められた:Eur Heart J. 2003; 24: 552-9. PubMed
- bisoprolol治療は医療コストを削減する:Eur Heart J. 2001; 22: 1021-31. PubMed
- ベースライン時の心拍数および心拍数の変化と予後の関係:Circulation. 2001; 103: 1428-33. PubMed
- うっ血性心不全患者において女性は生存の独立した有意な予測因子である:Circulation. 2001; 103: 375-80. PubMed
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