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2型糖尿病患者における高脂血症用薬fenofibrateによるリポ蛋白異常の是正が,冠動脈硬化に及ぼす効果を検討。 |
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2型糖尿病におけるfenofibrateを用いた冠動脈造影試験である。特徴はLDL-Cの低下効果は強くないにもかかわらず,冠動脈病変の進展抑制が示され,有意でないものの臨床的イベントが抑制されたことである。(寺本) |
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無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設,intenion-to-treat解析。 |
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追跡期間は3年以上。 |
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418例。40~65歳。中等度リポ蛋白異常症,血糖コントロール良好な2型糖尿病患者(平均HbA1cは7.5%)。1枝以上の冠動脈病変を有する。冠動脈インターベンション経験者も含む。 |
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fenofibrate 200mg群(207例),もしくはプラセボ群(211例)に割付け。薬剤は朝食時に投与。試験開始時および終了時に冠動脈造影を行う。食事療法(AHA/National Cholesterol Education Program step 1 diet)も実施。 |
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総コレステロール,HDL-C,LDL-C,トリグリセリドはfenofibrate群の方がプラセボ群より有意に改善した。 fenofibrate群では血管径の狭窄進展率がプラセボ群より有意に低く(2.11% vs 3.65%, p=0.02),最小血管径の狭窄進展が有意に抑制された(-0.06mm vs -0.10mm, p=0.029)。平均狭窄部の進展抑制効果には有意差は認められなかった(-0.06mm vs -0.08mm, p=0.171)。 本試験は臨床的エンドポイントを検討する検知力はないが,イベントの発生数はfenofibrate群の方が少なかった(38例 vs 50例)。 ★結論★fenofibrateは冠動脈造影上で冠動脈疾患の進展を抑制することが示唆される。本効果は治療の必要はなしと診断された例でもリポ蛋白異常の是正が,少なくともある部分関連している。 |
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- [main]
- Diabetes atherosclerosis intervention study investigators: Effect of fenofibrate on progression of coronary-artery disease in type 2 diabetes: the diabetes atherosclerosis intervention study, a randomised study. Lancet. 2001; 357: 905-10. PubMed
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