循環器トライアルデータベース

VEST
Vesnarinone Trial

目的 心不全患者に対する陽性変力作用薬vesnarinone投与後の死亡率と合併症発生率をプラセボと比較。併せてQOLも評価。
コメント 陽性変力作用のあるvesnarinoneは,重症心不全患者に対してプラセボよりも死亡率を増加させるという成績があるが,一方においてQOLを改善することも明らかにされた。cardiac cancerといわれる重症心不全に対してはQOLの改善を優先するか,延命を優先するかは議論があろう。(桑島
デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検。
期間 追跡期間は平均286日。
対象患者 3833例。NYHA III度またはIV度で,EF≦30%。
治療法 プラセボ群(1283例),vesnarinone 30mg/日投与群(1275例),60mg/日投与群(1275例)に割付け。プラセボ群に232例の死亡が発生した時点で試験を終了するよう計画。
結果 プラセボ群(死亡242例・18.9%)は,vesnarinone 60mg群(死亡292例・22.9%)に比べて死亡例が有意に(p=0.02)少なく,生存期間が延長。vesnarinone30mg群(死亡268例・21.0%)でも,プラセボ群に比し死亡傾向がみられたが有意差なし(p=0.21)。実薬群での死亡率増加は,不整脈による突然死によるもの。合併症発生率に関しては3群とも有意差はなし。QOLは,割付け後8週目(p<0.001),16週目(p=0.003)ともvesnarinone 60mg群で有意に改善。30mg群でも改善されたが有意差はなし。実薬群で顆粒球減少(60mg群:1.2%, 30mg群:0.2%)が認められた。
文献
  • [main]
  • Cohn JN et al for the vesnarinone trial investigators: A dose-dependent increase in mortality with vesnarinone among patients with severe heart failure. N Engl J Med. 1998; 339: 1810-6. PubMed
  • [substudy]
  • サイトカイン(腫瘍壊死因子;TNF,インターロイキン-6),サイトカイン受容体は死亡の独立した予測因子である。サイトカインの値は年齢,性,心不全の原因により可変である:Circulation. 2001; 103: 2055-9. PubMed

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EBM 「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
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収載年月1999.09
更新年月2001.06