循環器トライアルデータベース

CAPE II
Circadian Anti-ischemia Program in Europe II

目的 安定狭心症,冠動脈疾患患者において,治療中および投薬中止後の運動耐容能,心筋虚血に及ぼす効果を,Ca拮抗薬amlodipineとdiltiazem各単独,amlodipine+β遮断薬atenololとdiltiazemとで比較。
コメント Ca拮抗薬は我が国ではもっぱら冠れん縮性狭心症に用いられているが,本試験は冠硬化性狭心症に対してのamlodipineとdiltiazemの有用性と持続性を比較した試験である。単剤同士では両薬剤間の有効性に差はないが,服用中止後の効果の持続性においてはamlodipineが優れるという結果であった。またamlodipine+β遮断薬の組合わせとdiltiazem+硝酸薬の組合わせの比較では,前者がより有効であったとするものである。我が国と適応がやや異なるが,持続性および併用薬の選択において参考になる試験である。(桑島
デザイン 無作為割付け,二重盲検,多施設(欧州の13か国30施設)。
期間 追跡期間は14週間。
対象患者 250例。21~80歳。安定狭心症既往:1週間に2回以上の狭心症発作がある,1か月以上症状に変化がない,客観的に冠動脈疾患[運動負荷タリウム試験,冠動脈造影による主要1枝以上に70%以上の狭窄,2か月以上前の心筋梗塞,心電図(ECG)上および既往としての酵素変化,血管形成術既往]を有する運動負荷試験陽性例。72時間ECGで虚血発作が4回以上あるいはST下降が20分以上。
除外基準:うっ血性心不全,治療抵抗性不整脈,高血圧,立位収縮期血圧<100mmHg,心拍数<50拍/分,房室ブロック1度以上,ST変化を確認できないような障害がECGで認められる例。
治療法 phase 1(2週間):単盲検でプラセボを投与し,ホルター心電図および運動負荷試験を実施。
phase 2(単独投与6週間):amlodipine群(128例);5mg/日,diltiazem群(122例);180mg/日にランダム化。2週間投与後,amlodipine群は10mg,diltiazem群は300mgに増量。また72時間ホルター心電図実施から3日目に両群にプラセボを投与(休薬)し,投薬中止をシミュレートした。
phase 3(併用投与6週間):phase IIを終了したamlodipine群(122例)にatenolol 50mg/日を,diltiazem群(110例)にisosorbide 5-mononitrate 50mg/日を追加投与。2週間後,atenololおよび5-mononitrateを100mgに増量。
phase II,III終了時に,ホルター心電図および運動負荷試験を実施。
結果 amlodipine,diltiazemいずれも単独投与は一過性ST下降が有意に低下したが,両群間に有意差は認められなかった。しかし,休薬時にamlodipine群は虚血性イベントをdiltiazem群より有意に抑制した。
amlodipine+atenololの併用療法は虚血抑制効果がさらに大きく,24時間にわたり虚血を抑制(p<0.001),休薬時はdiltiazem+5-mononitrate 群はdiltiazem単独投与の場合と比べ有意差はみられなかった。治療中および投与中止後の虚血抑制維持効果は,amlodipine+atenolol群の方がdiltiazem+5-mononitrate 群よりも有意に大きかった。
有害事象の発生はphase 2でamlodipine群22例(17%),diltiazem群27例(21%),うち治療中止例は2例(1.6%) vs 4例(3.3%)。phase 3でamlodipine+atenolol群28例(23%) vs diltiazem+5-mononitrate 群38例(31%)。もっとも多かった事象は浮腫(amlodipine群12.5%,diltiazem群4.1%),頭痛(7.0% vs 20.5%)であった。
★結論★長期作用型のamlodipineは,患者が服用を忘れがちであったり服用量が一定しない場合でも,単独,β遮断薬との併用投与のいずれにおいても,diltiazemに比べて虚血抑制効果に優れているようである。
文献
  • [main]
  • Deanfield JE et al: Medical treatment of myocardial ischemia in coronary artery disease; effect of drug regime and irregular dosing in the CAPE II trial. J Am Coll Cardiol. 2002; 40: 917-25. PubMed

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収載年月1999.09
更新年月2002.11