目的: | 心停止からおよそ15分後のmetabolic phaseに行う低体温療法は心停止からの蘇生後脳症患者における標準治療の一環であるが,有効性を示したエビデンスはほとんどない。 心停止から蘇生(自己心拍再開:ROSC)後も昏睡状態にある例において低体温法により転帰が改善するかを検討する。 主要評価項目:3ヵ月後の生存および脳機能的転帰(Cerebral Performance Categories:CPC)。 |
デザイン: | 登録研究,多施設。 |
セッティング: | - |
期間: | 試験期間は2008-2011年。 |
対象: | 452例。2005-’09年の心停止後の低体温療法実施例:院外・院内心停止から蘇生後も昏睡状態にあるもの;18歳以上の薬物治療あるいは機械的循環補助(大動脈バルーンパンピング[IABP],経皮的心肺補助法[PCPS])により血行状態が安定しているもの。 除外基準:急性大動脈解離,日常身体活動量が少ないものなど。 |
方法: | - |
結果: | 居合わせた人に目撃され,目標体温32-34℃で12-72時間冷却した372例において,non-shockable症例で有効性を検討した結果:初期リズムがshockable(心室細動,無脈性心室頻拍)であったのは297例。ROSCまでの時間はshockable群(平均58歳)にくらべnon-shockable群(75例:62歳)で有意に長く(22分 vs 30分,P=0.008),急性冠症候群による心停止例(67% vs 48%,P=0.002),緊急冠動脈造影(85% vs 60%,P<0.001)はshockable群のほうが有意に多かった。 心停止から30日後のグラスゴー・ピッツバーグCPC 1-2の良好例は,shockable群のほうが有意に多かった(195例[66%] vs 24例[32%]:オッズ比0.25;95%信頼区間0.14-0.42,P<0.001)。ただしROSCまでの時間が≦16分の場合は,両群に有意差はなかった(92% vs 90%)。 また,30日後の生存率も同群のほうが高かった(85% vs 59%:0.25;0.15-0.44,P<0.001)。心停止後7日間の合併症は両群間に有意差はなかった:Circ J 2012; 76: 2579-85. PubMed |
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