目的: | 慢性心不全患者において,β遮断薬carvedilol 3用量群の有効性,安全性の比較により至適用量を知り,レスポンダー,ノンレスポンダー患者の背景を検索し本治療におけるテーラーメード医療を確立する。 主要アウトカム評価項目:全死亡または全心血管系の原因による入院。 副次アウトカム評価項目:全死亡;心血管系疾患による入院;心不全の悪化による入院または心不全の悪化による併用薬の中止,併用薬の追加・増量(用量設定期より50%以上の増量が3日以上持続),抗心不全薬の新規追加(追加後3日以上経過した場合);心不全死;突然死(不整脈死を含む);全入院;SAS(specific activity scale;身体活動スケール)1Met以上の悪化,NYHA心機能分類I度以上の悪化;左室駆出率;BNP。 |
デザイン: | PROBE(prospective, randomized, open, blinded-endpoint)。 |
セッティング: | - |
期間: | 2003年7月試験開始,終了は2009年12月の予定。 |
対象: | 480例の予定。20~79歳の男女;症状の安定した慢性心不全患者(服薬開始前のNYHA心機能分類に変動がない患者)で,carvedilolを投与していないもの;NYHA II度またはIII度,かつEF≦40%;入院あるいは外来は問わない。 除外基準:弁狭窄を主とする患者あるいは重篤な弁逆流を有する患者;肥大型閉塞性心筋症(拡張相肥大型心筋症を除く),拘束型心筋症あるいは不整脈原性右室心筋症,進行性の心筋炎の患者;心原性ショックの患者あるいは収縮期血圧80mmHg未満の患者;重篤な不整脈(持続性心室頻拍,心室細動など),徐脈(<50拍/分)あるいはII度以上の房室ブロックのある患者。ただし,一時的に徐脈となる場合やWenckebach typeのII度以上房室ブロックとなる場合,担当医の判断に委ねる;同意日前3ヵ月以内に急性心筋梗塞を発症した患者;不安定狭心症または冠攣縮性・安静狭心症患者;同意日3ヵ月以内にCABGまたはPCIを施行した患者あるいは試験期間中にCABGまたはPCIの予定がある患者;同意日前6ヵ月以内に脳血管障害(脳出血,脳梗塞,くも膜下出血など)を発症した患者など。 |
方法: | carvedilol 2.5mg/日群:1.25mg錠×2回(朝・夕食後)経口投与。 1~4週間投与し,担当医師の判断で忍容性に問題がなければ固定期に移行する(用量設定期),用量設定期で決定した用量を1日2回(朝・夕食後)連日経口投与する。投与期間は48週間以上とする(固定期)。 5mg/日群:1.25mg錠×2回(朝・夕食後)を1~2週間経口投与し,担当医師の判断で忍容性に問題がなければ5mg(2.5mg錠×2回/日)へ増量して1~2週間投与し,固定期に移行する(用量設定期)。用量設定期で決定した用量を1日2回(朝・夕食後)経口投与する。投与期間は48週間以上試験終了までとする(固定期)。 20mg/日群:1.25mg錠×2回(朝・夕食後)を1~2週間経口投与し,担当医師の判断で忍容性に問題がなければ5mg(2.5mg錠×2回/日)へ増量して1~2週間投与する。以下同様の手順により,10mg(2.5mg錠2錠×2回/日),20mg(10mg錠×2回/日)へと増量し,固定期に移行する(用量設定期)。用量設定期で決定した用量を1日2回(朝・夕食後)経口投与。投与期間は48週間以上試験終了までとする(固定期)。 |
結果: | 2009年AHA Late-Breaking Clinical Trialsで発表予定。 ホームページURL:http://poppy.ac/j-chf/ |
このサイトは国内外の循環器疾患の臨床試験や疫学調査の情報を集めた医療従事者向けのサイトです。日本では認可されていない治療法,保険適用外の治療法,国内では販売されていない医薬品に関する情報も含まれています。一般の方に対する医療情報提供を目的としたものではありません。
あなたは医療従事者ですか?