ACC2002

AFFIRM Atrial Fibrillation Follow-Up Investigation of Rhythm Management

心房細動患者において,心拍数コントロール治療(rate control)の死亡抑制,QOL,心機能に及ぼす効果は洞調律の維持治療(rhythm control)と同等であった。

presenter: D. George Wyse, MD(University of Calgary, Calgary, Canada)
目的 心房細動(AF)患者において,心拍数コントロール(rate control)が洞調律の維持(rhythm management)と同等の治療となるかを検討。一次エンドポイントは全死亡。二次エンドポイントは死亡,後遺症を残す脳卒中あるいは無酸素脳症,重大な出血あるいは心停止
コメント 洞調律維持群で死亡率が高い傾向にあったが,詳細な検討結果を待ちたい。QOLについて両治療群で差のなかったことはPIAF試験と同様である。また費用対効果の解析の結果も待たれる(井上)。
デザイン 無作為割付け,多施設,intention-to-treat解析。
期間 平均追跡期間は3.5年(2〜6年)。
対象患者 3,957例。平均年齢69.7歳。
心電図で確認されたAF(過去6ヵ月に6時間以上続いたAFで12週間以内に発症したエピソード,あるいは持続が6ヵ月以内のもの);いずれの治療群で用いられる2剤以上の薬剤の投与が可能;長期治療が必要;抗凝固療法が可能;脳卒中あるいは死亡リスク(65歳以上,高血圧,糖尿病,心不全,脳卒中あるいは一過性脳虚血発作あるいは全身性塞栓の既往,心房径≧50mm,駆出短縮率<25%,EF<40%)を1つ以上有する例。
除外基準:ランダム化前の電気的除細動不成功例。
治療法 心拍数コントロール(Rate)群,洞調律維持(Rhythm)群にランダム化。クロスオーバーを可とした。
抗凝固療法(Rhythm群では洞調律が1ヵ月以上維持された場合投与中止可とした)。非薬物療法使用の場合は事前に薬物治療を必要とした。
最初にRate群に割付けられた例での薬物療法はdigoxin(51%),β遮断薬(49%),Ca拮抗薬(41%)。Rhythm群ではamiodarone(39%),sotalol(33%),propafenone(10%),procainamide(6%)。
結果 一次エンドポイントはRate群306例,Rhythm群356例でRhythm群で高い傾向にあった(p=0.058)。一次エンドポイントに関して,Rate群での有効性は18〜24ヵ月後からみられた。同群での有効性は二次エンドポイントにおいても18〜24ヵ月後から始まったが,両群間で有意差は認められなかった(28% vs 30%,p=0.283)。

5年後のクロスオーバー率はRate群→Rhythm群が12%,Rhythm群→Rate群が37%。 洞調律率は追跡期間中に低下したものの,5年後Rate群30%,Rhythm群>60%にみられた。Rate群での心拍数コントロールの達成率は経過中に上昇の傾向を示した(2ヵ月後約60%→5年後80%)。

5年間でwarfarinの使用率は両群とも低下したものの5年後はやはり高かった(Rate群で85〜95%)。Rhythm群では後半の4年間で70%に低下した。

Torsades de Pointesおよび徐脈性心停止はRhythm群(各13例,13例)でRate群(各2例,2例)より有意に多かった。脳内出血は両群で同程度の発生率であった。大出血はRate群でやや多かったが有意ではなかった。脳梗塞発症は両群間で有意差は認められなかったが,Rhythm群でやや多い傾向にあった(84例 vs 79例)。INR(国際標準化プロトロンビン比)<2.0やwarfarin非投与例は脳梗塞発症例の68%(Rate群), 78%(Rhythm群)を占めた。 心機能状況,QOLで両群間に差はみられなかった。
考察 心機能状況,QOLにおいて,Rhythm群とRate群に差は認められず,脳卒中を含んだ二次エンドポイントの発生率も同様であった。脳卒中の大半はwarfarin非投与例,warfarin投与例でもINR<2.0の例であった。入院はRhythm群で多く,死亡抑制効果は認められなかったが,同群で後半のリスクが上昇する傾向がみられた。

本試験は心拍数コントロールが一次選択療法として許容できることを示した。抗凝固療法は脳卒中のリスクのある例では持続するべきであろう。


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収録年月2002.3