TACTICS-TIMI 18
Treat Angina with Aggrastat and Determine Cost of Therapy with an Invasive or Conservative Strategy

不安定狭心症/非ST上昇心筋梗塞のGP IIb/IIIa受容体拮抗薬投与例において,侵襲的治療は医療コストの有意な増加なしに死亡+心筋梗塞+ACSによる再入院のリスクを低下。

目的 不安定狭心症および不安定ST上昇心筋梗塞(MI)患者において,早期のカテーテルおよび血行再建術による侵襲的治療が従来の早期薬物療法より優っているかを検討。troponin hypothesis(トロポニンが治療法選択において有効であり,陽性の例では侵襲的治療が有効である)の検討。一次エンドポイントは6か月以内の死亡+MI+急性冠症候群による再入院と医療コスト。
コメント 不安定狭心症に対する早期の侵襲的治療は,予後を改善することが明らかであるが,医療コストを大きく増大するわけではないことも示された。特に血中トロポニン上昇例やST変化例で効果が著しく,早期に侵襲的治療を行うべき対象として考えられる。わが国においても,医療コストを考慮した治療法選択という臨床試験を行う必要がある(永井)。
デザイン 無作為,多施設,intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は6か月。
対象患者 2220例。発症後24時間以内に安静時あるいは最小限の労作時に持続性・反復性の狭心痛のパターンが亢進する者。下記のうち1つ以上を有する者:心電図上の虚血変化,局所で測定される心臓マーカーの上昇,MIの既往,冠動脈疾患あるいは血行再建術施行者。 除外基準:18歳未満,急性ST上昇MI,出血リスクの高い者,重篤な心不全,心原性ショック。
治療法 全例に抗血小板薬aspirin,抗凝固薬heparin,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬tirofiban(0.4μg/kgを静注後,0.1μg/kgを48〜108時間注入)を投与。
従来の治療:薬物療法。安静時の虚血あるいはストレス負荷試験で陽性の場合はカテーテル法を施行。
侵襲的治療:無作為化後4〜40時間以内に血行再建術を施行。
結果 一次エンドポイントの発生率は侵襲的治療群15.9%,従来治療群19.4%で侵襲群で有意に低下(オッズ比0.78,p=0.025)。30日以内のイベントの発生率は7.4% vs 10.5%(オッズ比0.78,p=0.009)。30日以内の死亡+MIは4.7% vs 7.0%(オッズ比0.74):主要結果についてはAHA 2000において発表。
入院中の費用は侵襲群14,660ドル,従来群12,667ドル。退院後の費用は6,063ドル vs 7,203ドルで再入院を要した従来群で高かった。6か月間のコストは20,616ドル vs 19,987ドル。
トロポニン陽性例では侵襲群が24,260ドル,従来群が23,665ドル,陰性例では16,506ドル vs 15,582ドル。またST上昇例は25,178ドル vs 25,135ドル,非上昇例は18,938ドル vs 17,868ドル。糖尿病患者は24,205ドル vs 20,973ドル,非糖尿病患者は19,186ドル vs 19,592ドルと糖尿病患者の方がコストが高かったものの治療効果も高かった。男女間,65歳以上/未満間のコストの差はなかった。
コストの予測因子は,トロポニン値>0.01(p<0.0001),ST変化(p<0.0001),糖尿病(p=0.08)。
QOLは両群で同様であった。

「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
ご不明の点はお問い合わせください

収録年月2001.04