PRINCE
Pravastatin Inflammation/CRP Evaluation

HMG-CoA reductase阻害薬pravastatinは,一次予防においても血管リスクの予測因子である高感度CRPを有意に低下。

目的 1.HMG-CoA reductase阻害薬pravastatinによるhs-CRP(高感度CRP:C-reactive protein)値の経時的低下効果を検討。
2.二次予防群でみられるCRPに対するpravastatinの効果が一次予防群でもみられるかを検討。
3.hs-CRPへのpravastatinの効果はLDL-Cに対するpravastatinの効果とは無関係か否かを検討。
一次エンドポイントは24週目の脂質およびhs-CRPの変化。二次エンドポイントは12週目のpravastatinの効果。
コメント 粥状動脈硬化の一因として炎症が注目されている。すでにスタチンを用いた二次予防試験のサブ解析から高脂血症治療により炎症の指標であるCRPが低下し,イベント抑制と関連することが示されている。本試験ではこれを一次予防で前向きに検討し,pravastatin投与でCRPが低下することが確認された。しかし,CRPの低下率とLDL-Cの低下率の関連が必ずしも強くないことからスタチンのpleiotropic effectである可能性を示唆している(寺本)。
デザイン 無作為,二重盲検(一次予防群),オープン(二次予防群),多施設。
期間 追跡期間は24週間。
対象患者 2237例。平均年齢57歳(一次予防群1339例),69歳(二次予防群898例)。試験開始前6か月以内にスタチン治療を受けていない22歳以上の者,一次予防群:MI,脳卒中,血行再建術施行歴のない者,LDL-C≧130mg/dLになったことのある者。二次予防群:試験開始の6か月以上前のMI既往,脳卒中既往,CABG/PTCA施行歴,頸動脈血管内膜除去術施行歴のある者。
治療法 一次予防:pravastatin群(40mg/日),プラセボ群に割り付け。二次予防:pravastatin群(40mg/日)。
ベースライン時,12週間後,24週間後にCRP値,脂質値測定のため血液採取。
結果 一次予防群(ベースライン時の脂質:総コレステロール;TC 230mg/dL,LDL-C 142mg/dL,HDL-C 39mg/dL,トリグリセリド;TG 182mg/dL,hs-CRP 0.20mg/dL),二次予防群(TC 208mg/dL,LDL-C 124mg/dL,HDL-C 39mg/dL,TG 200mg/dL,hs-CRP 0.26mg/dL)ともpravastatin投与例でTCが19%,LDL-Cが25%,HDL-Cが6%,TGが18%低下した。一次予防群のプラセボ投与例では脂質の変化はなかった。
pravastatin群でhs-CRPは一次予防群,二次予防群とも13%低下した(p<0.001)が,プラセボ群でCRPの変化はみられなかった。hs-CRPの低下は12週間以内にみられ,pravastatin群のhs-CRPは13.2%(中央値)低下した。CRPの低下は全サブグループ(性,年齢,喫煙,BMI,脂質値,糖尿病)で認められた。ベースライン時のhs-CRPとLDL-C,あるいは試験終了時のLDL-Cとhs-CRPに関連はなかった。CRPの変化率とLDL-Cの変化率は軽度な関連を示したが,CRPの変化率の2%のみがLDL-Cの変化で説明可能であった。hs-CRP反応の点で一次予防群と二次予防群の間に有意差はなかった。
全例においてpravastatin投与はhs-CRPの変化の重要な決定因子であった(p<0.001)。LDL-Cは軽度な決定因子と考えられたが,pravastatinの使用で補正するとほとんど影響はなかった。

「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
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収録年月2001.04