MIRACLE
Multicenter InSync Randomized Evaluation

心室間伝導遅延を有する重症心不全患者においてcardiac resynchronization(心臓再同期)治療は安全で忍容性が良く,QOL,心機能,運動耐容能を改善した

目的 左右心室の同期が失われた心不全患者において,静脈経由の左右両心室ペーシングによる同期cardiac resynchronization(心臓再同期)治療(CRT)の有効性および安全性を検討。一次エンドポイントは6か月後のNYHA心機能分類による心機能,QOL,6分間歩行。安全性の一次エンドポイントは6か月後のペースメーカー関連の合併症。
コメント 薬物治療に抵抗する心不全例でQRS幅が延長している場合には,左右両心室の同期ペーシングという有効な治療手段が存在することが示された。長期の効果については不明である(井上)。
デザイン 無作為,二重盲検,電気生理学者は非盲検,intention-to-treat解析。
期間 追跡期間は6か月。
対象患者 266例。平均年齢63.5歳。NYHA心機能分類III〜IV度,EF≦35%,左室拡張末期径≧55mm,QRS時間≧130msec。1か月間の安定した至適の心不全薬物治療(忍容性があればACE阻害薬を含む)を受けている者,3か月以上の安定したβ遮断薬療法を受けている者。
治療法 CRTはMedtronic社のInSync(r) System(左右両心室の同期ペースメーカー)を使用。
CRT作動群(134例)あるいは対照(非作動)群132例に割り付けた。
結果 CRT植込み成功率は93%で,解析は244例で行った。
死亡数はCRT群で8例,対照群で10例。6か月以内の死亡率は両群で差はなし。
CRT群では6分間歩行距離が39m長くなり対照群と比べ有意に改善した(p=0.003)。また同群ではQOLも有意に改善した(p=0.013)。NYHA心機能分類はCRT群の65%,対照群の30%で改善し,改善率はCRT群で有意であった。NYHA心機能分類+QOL+6分間歩行の改善率はCRT群33%,対照群12%であった(p<0.001)。
運動耐容能は最高酸素摂取量がCRT群で改善傾向を認め,運動時間延長が同群で580秒と対照群の480秒に比べ有意に改善した(p<0.001)。LVEDDはCRT群で0.5cm有意に減少し(p<0.001),EFは同群で6%有意に改善した(p<0.001)。
無作為化した266全例で改善(NYHA心機能分類あるいは全体評価の改善),悪化(入院あるいはCRT撤去につながる心不全の悪化,NYHA心機能あるいは全体評価の悪化),不変で解析すると,改善はCRT群で63%,対照群で38%(p<0.001),悪化はCRT群20%,対照群30%であった。

「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
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収録年月2001.04