COPERNICUS
Carvedilol Prospective Randomized Cumulative Survival Trial

重症心不全患者において,β 遮断薬carvedilol投与により死亡および入院リスクが 有意に低下。

目的 重症心不全患者において,α遮断能を有するβ遮断薬carvedilolの有効性を検討。一次エンドポイントは全死亡。二次エンドポイントは全死亡+心不全による入院,全死亡+心血管疾患による入院,全死亡+全入院。
コメント 慢性心不全のβ遮断薬療法については,USカルベジロール研究(USCP),CIBIS II,MERIT-HFトライアルによりNYHA II〜III度の患者における有効性は確立されているが,NYHA IV度の重症心不全に対する有用性については不明であった。COPERNICUS試験において初めて重症の慢性心不全患者においても同様の予後改善効果が認められた。また,心不全悪化による入院も有意に減少した(morbidityの改善)ことから,増量法(dose titration)に注意すれば重症例にも有効であることが明らかになった(堀)。
デザイン 無作為,プラセボ対照,二重盲検,多施設。
期間 追跡期間は29か月。
対象患者 2289例。安静時あるいは軽度の労作時に症状を有する者,NYHA IV度,EF<25%。
除外基準:集中治療室の患者,有意な体液貯留,試験開始前4日以内の血管拡張薬あるいは陽性変力作用薬静注例。
治療法 carvedilol群(目標投与量25mg×2回/日)あるいはプラセボ群に割り付け。適切な心不全治療,正常な利尿が得られる至適利尿薬。
結果 一次エンドポイントはcarvedilol群はプラセボ群に比べ35%有意に低下し(補正p=0.0014),試験は予定より早く終了した。
全死亡+全入院の発生はcervedilol群で24%有意に低下(p=0.00004),全死亡+心血管疾患による入院は同群で27%有意に低下(p=0.00002),全死亡+心不全による入院は同群で31%有意に低下した(p=0.000004)。
死亡を含まない入院はcarvedilol群で372例,プラセボ群で432例(p=0.0029),死亡を含まない繰返し入院は152例 vs 188例(p=0.021)とcarvedilol群で有意に減少した。繰返し入院を含む入院はcarvedilol群で20%有意に低下(p=0.017),心血管疾患による入院(繰返し入院を含む)は同群で28%有意に低下(p=0.0002),心不全による入院も33%有意に低下した(p=0.0001)。入院延べ日数はcarvedilol群で27%有意に減少し(p=0.005),入院数も同群で20%有意に減少(p=0.0017),入院ごとの入院日数も9%低下した(p=0.015)。
重篤な有害事象発生率はcarvedilol群で39%,プラセボ群で45.5%でcarvedilol群で有意に低かった(p=0.002)。carvedilol群で高率の有害事象は,徐脈が11.8% vs 3.2%,めまいが24.1% vs 16.8%,頭痛が4.8% vs 3.0%,低血圧が15.1% vs 8.7%,presyncopeが4.8% vs 2.9%であった(全p<0.05)。逆に心不全の発生率は28.1% vs 33.6%,心原性ショック0.4% vs 1.7%,心房細動2.2% vs 4.3%,上室性頻拍0.2% vs 1.0%,心室頻拍1.6% vs 3.9%,心室細動1.0% vs 2.1%,突然死3.9% vs 6.1%とcarvedilol群で低かった(全p<0.05)。心不全悪化は全追跡期間中(p=0.004),漸増投与期間中(p=0.257),維持期間中(p=0.0001),いずれもcarvedilol群で低かった。

「循環器トライアルデータベース®」
ライフサイエンス出版
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収録年月2001.04