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左室収縮機能障害・急性心不全 omecamtiv mecarbil静注 vs プラセボ 48時間後の呼吸困難:omecamtiv mecarbil静注≒プラセボ
心筋ミオシン活性化剤
ATOMIC-AHF 
Acute Treatment with Omecamtiv Mecarbil to Increase Contractility in Acute Heart Failure
左室収縮機能障害を有する急性心不全患者において,新規の低分子量直接心筋ミオシン活性化剤omecamtiv mecarbil 48時間静注による呼吸困難緩和は認められず(第II相試験)。
背景・目的 駆出率の低下した急性心不全患者における新規の選択的心筋ミオシン活性薬48時間静注の安全性,有効性を検証する用量反応試験。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,多施設(北米,欧州,オーストラリアの106施設)。
一次エンドポイント 6・24・48時間後の呼吸困難(48時間後)。
対象 606例。EF≦40%;ナトリウム利尿ペプチド上昇;安静時・軽度労作時の呼吸困難。 除外基準:血圧>160/100mmHg,収縮期血圧(SBP)<90mmHg;心拍数>110,<60拍/分;推算糸球体濾過量<20mL/分/1.73m²。
期間 追跡期間は48時間。
治療 初回利尿薬静注後24時間以内にランダム化。
omecamtiv mecarbil 群(303例):達成血漿濃度で用量を設定,3コホートに振り分けた。
コホート1;血漿濃度が115 ng/mL(103例),コホート2;230 ng/mL(99例),コホート3;310ng/mL(101例)。 プラセボ(303例):プラセボ静注。
呼吸困難の評価にはLikert Scale(リッカート尺度:7ポイントで評価)を使用。
結果 omecamtiv mecarbil 群でトロポニンI値の軽度上昇がみられた。同群では濃度依存的に左室駆出時間が有意に延長,SBPを低下させずに心拍数が有意に減少した。

[一次エンドポイント]
omecamtiv mecarbil 群(コホート1;42%,コホート2;47%,コホート3;51%),プラセボ(3コホート合体)群41%(P=0.331)。
コホート3;51% vs プラセボ群37%(P=0.03)。

[その他]
死亡(全例CVD死):8例(2.6%)vs 10(3.3%)。コホート1;1例,2;4例,3;3例。
入院:29例(9.6%)vs 37例(12.2%)。11例,11例,7例。
心不全による入院:22例(7.3%)vs 19例(6.3%)。6例,11例,5例。
心筋梗塞:7例(2.3%)vs 3例(1%)。2例,0例,5例。

Acute Treatment with Omecamtiv Mecarbil to Increase Contractility in Acute Heart Failure
presenter: John R. Teerlink, MD ( University of California San Francisco, US )
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