循環器トライアルデータベース
学会情報

 ACS  varespladib vs プラセボ 16週後のCVD:varespladib群≒プラセボ群
VISTA-16 
急性冠症候群患者において,atorvastatin+通常ケアへの新規分泌型ホスホリパーゼA2阻害薬バレスプラジブ(varespladib)の追加による16週後の心血管転帰の改善は認められなかった。
無益性が認められたため早期中止
背景・目的 分泌型ホスホリパーゼA2(sPLA2)はプラーク中で発見された酵素で,炎症経路に関与している。アテローム性動脈硬化症において炎症がある役割を果たしていることは病因研究で示されており,急性冠症候群(ACS)患者に至適治療を行ってもなお残る残存心血管リスクの治療標的が抗炎症にある可能性がある。
ACS患者においてatorvastatin+通常ケアへの新規sPLA2阻害薬バレスプラジブ(varespladib)追加の心血管イベント抑制効果を検証する。
デザイン ランダム化,二重盲検,多施設(欧州,オーストラリア,ニュージーランド,インド,北米の362施設)。
一次エンドポイント 16週後の心血管死,非致死的心筋梗塞,非致死的脳卒中,入院を要する不安定狭心症の複合エンドポイント。
対 象  5,145例。発症から96時間以内のACS患者で,糖尿病・メタボリックシンドローム(MetS)・HDL-C<42mg/dL・eGFR<60mL/分・脳卒中/一過性脳虚血発作・末梢動脈疾患・心筋梗塞(MI)・冠動脈血行再建術のいずれか一つに該当するもの。
■患者背景:平均年齢61歳,女性26%,現喫煙33%,MetS 64%,糖尿病31%,PCI歴18%,高血圧既往(varespladib群75.2%,プラセボ群77.8%),MI既往(30.2%,29.6%),aspirin(91.8%,91.3%),抗血小板薬(76.0%,76.2%),β遮断薬(82.9%,83.9%),ACE阻害薬/ARB(82.3%,82.5%)。
期 間 追跡期間は6ヵ月。治療期間は16週。
治 療  varespladib 500mg/日群(2,572例) vsプラセボ群(2,573例)。
いずれもatorvastatin≧20mg(中央値40mg)+通常ケアに追加。
結 果 [脂質の変化]
varespladib群はプラセボ群にくらべ,ベースラインから16週後までのLDL-C値の低下が大きかった(varespladib群105.0→69.1mg/dL,プラセボ群105.1→73.8mg/dL,変化率:28.8% vs 25.1%,P=0.008)。HDL-Cとトリグリセライドの変化には有意な群間差なし。

[一次エンドポイント]
有意な群間差は認められなかった(6.1% vs 5.1%,ハザード比1.25;95%信頼区間0.97-1.61,P=0.08)。

[その他]
varespladib群は心血管死+MI+脳卒中のリスクが有意に高く(4.6% vs 3.8%;P=0.04),これはMIの発症率の高さによるものであった(3.4% vs 2.2%,1.66;1.16-2.39;P=0.005)。
6ヵ月後の全死亡に有意差はなかった(2.7% vs 2.0%)。
varespladib群はALT/ASTの増加(>正常上限の3倍)が多かった(38例 vs 6例)。

Secretory Phospholipase A2 Inhibition with Varespladib and Cardiovascular Events in Patients with an Acute Coronary Syndrome: Results of the VISTA-16 Study
presenter: Stephen Nicholls ( South Australian Health and Medical Research Institute, Australia )
JAMA. Nov 18, 2013. doi:10.1001/jama.2013.282836
UP
--------------------
(c) copyright 2001-. Life Science Publishing Co., Ltd
EBM LIBRARY