循環器トライアルデータベース
学会情報

院外心停止からのROSC 病院到着前の低体温療法 vs 標準ケア 生存,機能的改善:低体温群≒標準群
Induction of Mild Hypothermia Following Out-of-Hospital Cardiac Arrest 
院外心停止からの自己心拍再開例において,病院到着前の4℃生理食塩水2L注入は,深部体温を下げ,通常ケアにくらべて<34℃到達が早かったが,生存と退院時の機能的状態は改善しなかった。
背景・目的 院外心停止からの自己心拍再開(ROSC)後の低体温療法は,病院到着後に行ってもアウトカムを改善することが示されているが,動物モデルではROSCから>15分 に開始した場合有効性が低下しており,病院到着前に実施したほうが有効な可能性がある。
ROSC例において,病院到着前の低体温療法が生存率と機能的状態を改善するか検証する。
デザイン ランダム化,オープン。
一次エンドポイント 生存退院と退院時の機能的状態。
対 象  1,359例(心室細動[VF]:583例,非VF:776例)。成人の院外心停止からのROSC例。
期 間 追跡期間は退院まで。
治 療  低体温療法群:ROSC後できるだけ早期に4℃の生理食塩水2Lを注入。
対照群:標準ケアを実施。
VF例は割付けを問わず,病院到着後にほぼ全例に低体温療法を実施。
結 果 [体温変化]
VF例では,低体温療法群は対照群にくらべ病院到着時の深部体温が1.2℃低く,<34℃到達が1.3時間早かった。

[一次エンドポイント]
生存退院率は,VF例(低体温療法群62.5% vs 対照群64.3%;P=0.69),非VF例(19.2% vs 16.3%;P=0.3)ともに有意な群間差は認めなかった。
退院時の機能的状態は,VF例,非VF例にかかわりなく両群で変わらなかった。

[その他]
低体温療法群では院外での再心停止例(26% vs 21%,P=0.007),初回X線撮影時の肺水腫,利尿薬使用が増えたが,入院から12時間以内に解消した。

Randomized Clinical Trial of Pre-hospital Induction of Mild Hypothermia in Out-of-Hospital Cardiac Arrest Patients Using a Rapid Infusion of 4℃ Normal Saline
presenter: Francis Kim, MD ( University of Washington, US )
JAMA. Nov 17, 2013. doi:10.1001/jama.2013.282173
UP
--------------------
(c) copyright 2001-. Life Science Publishing Co., Ltd
EBM LIBRARY