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スタチン不忍容の
高コレステロール血症
evolocumab群 vs ezetimibe群 12週後のLDL-C↓
evolocumab群>ezetimibe群*
Undetectable High Sensitivity Cardiac Troponin T Level in the Emergency Department and Risk of Myocardial Infarction 
救命救急室利用胸痛患者におけるhs-cTnT検出限界未満(<5ng/L:約6割)およびECG上の虚血変化なしは,30日後の心筋梗塞を除外できる。
背景・目的 毎年,欧米では推定1,500万-2,000万人が救命救急室(ED)を利用するが,もっとも多い理由は胸痛である。しかし,胸痛による入院患者で心筋梗塞(MI)と診断されるものは10-20%に過ぎない。MIの診断はECG所見と心筋障害を示すバイオマーカー(おもに心臓トロポニン)による。最近,臨床現場でトロポニンの微増を検知できる高感度心臓トロポニン(hs-cTn)アッセイが使用されるようになり, hs-cTnTを複数回測定する必要はない可能性がでてきた。
hs-cTnT検出限界未満(<5ng/L)でECG上の虚血変化がない症例の30日後のMIリスクは低いため,EDを直接退院できるという仮説を検証する。

[一次エンドポイント]30日後の致死的・非致死的MI。

対 象  4,636例。>25歳のED利用患者のうち,主訴が胸痛でhs-cTnTを1回以上測定したもの。
初回hs-cTnT<5ng/L例(8,907例[61%]・平均年齢47歳,女性53%):入院21%;退院79%;5-14 ng/L例(3,150例[22%]・63歳,41%):44%;56%,>14 ng/L例(2,579例[18%]・71歳,37%):82%;18%。
期 間 追跡期間は1年。
ED利用は2010年12月10日-’12年12月31日。
治 療  evolocumab 140mg 1回/2週皮下投与+プラセボ1回/日経口投与群(103例),
evolocumab 420mg 1回/月皮下投与+プラセボ1回/日経口投与群(102例),
プラセボ1回/2週皮下投与+ezetimibe 10mg 1回/日経口投与群(51例),
プラセボ1回/月+ezetimibe 10mg 1回/日経口投与群(51例)。
結 果 [一次エンドポイント]
hs-cTnT<5ng/L例における30日後のMIは39例,うちECG虚血変化がなかったのは15例(ST上昇型は4例):陰性的中率99.8%;95%信頼区間99.7-99.9。
5-14 ng/L例は97例:96.9%;96.3-97.5%,>14 ng/L例:676例:73.8%:72.1-75.5%。

[その他]
hs-cTnT<5ng/L例
・ECG上の虚血所見がない例の77%が同日,あるいは翌日EDを不特定胸痛(50%)と診断され退院。次いで多い診断名は心房細動(6%),狭心症(5%)。
・1年後におけるMIは54例:99.4%;99.2-99.5%。5-14 ng/L例は134例:95.7%;95.0-96.5%,>14 ng/L例:753例:70.8%:69.0-75.6%。
・30日後の死亡は2例で,陰性的中率は100%(99.9-100%)。
1年後の死亡は38例でうち32例が癌,2例が心血管疾患によるもの。

presenter: Nadia Bandstein, MD ( Karolinska Universtiy Hopsital, Sweden )
→J Am Coll Cardiol. 2014 Mar 30. doi:10.1016/j.jacc.2014.03.017
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