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STEMIに対するpPCI UFH群 vs bivalirudin群 28日後のMACE↓:UFH群>bivalirudin群*
HEAT-PPCI 
ST上昇型心筋梗塞に対するprimary PCI施行患者におけるMACE抑制は,未分画heparin群がbivalirudin群(いずれも‘bailout’ GPI併用)を有意に上回る。出血は両群同等。
背景・目的 primary PCI (pPCI)施行例における抗血栓療法として,未分画heparin(UFH),抗凝固薬bivalirudinが使用されているが,抗血小板薬GP IIb/IIIa受容体拮抗薬の選択的併用投与(‘bailout’ GPI投与)が増えており,主要ガイドラインでも推奨されている。一方で,GPIの使用が増えるとbivalirudin,heparinのいずれを併用した場合にも出血リスクが上昇する。
pPCI例において,bivalirudin+‘bailout’ GPIと未分画heparin(UFH)+‘bailout’ GPIを比較する。

[一次エンドポイント]有効性:28日後の主要有害心イベント(MACE;全死亡+脳血管障害+再梗塞+予定外の標的病変再血行再建術[TLR])。
安全性:28日後の重大な出血(BARC定義によるタイプ3-5の出血)。

デザイン ランダム化,オープン,単施設。
対 象  1,829例。pPCIを施行するSTEMI患者。
除外基準:発症時の出血例など。
■患者背景:年齢中央値(bivalirudin 群62.9歳,UFH群63.6歳),女性(28.5%,26.9%),白人(95.8%,95.9%),糖尿病(12.6%,15.1%),心筋梗塞既往(13.5%,10.3%),推算糸球体濾過量(両群とも80mL/分/1.73m²),ヘモグロビン(13.6g/dL,13.7g/dL)。
期 間 追跡期間は28日。
登録期間は2012年2月-’13年11月。
治 療  bivalirudin+‘bailout’ GPI群(bivalirudin 群:915例):PCI前に0.75mg/kgをボーラス投与,周術期に1.75mg/kg/時を注入。
UFH+‘bailout’ GPI群(UFH群:914例):PCI前に70U/kg静注。
‘bailout’ GPIはabciximabを使用。
結 果 [治療]
GPI使用:bivalirudin群13.5%,UFH群15.5%,P2Y12受容体拮抗薬:99.6%,99.5%(ticagrelor;61.2%,62.7%,prasugrel;27.3%,27.6%,clopidogrel;11.8%,10.0%)。
PCI施行:83.0%,81.6%,ステント:92.8%,92.2%;薬剤溶出性ステント;79.8%,79.9%,橈骨アクセス:80.3%,82.0%,血栓切除術:59.1%,57.6%。

[一次エンドポイント:解析例はUFH群907例,bivalirudin群905例]
(有効性)MACEはbivalirudin群79例(8.7%)vs UFH群52例(5.7%):bivalirudin群のUFH群にくらべた絶対リスク上昇3.0%(95%信頼区間0.6-5.4);相対リスク(RR)1.52(1.1-2.1),P=0.01。
(安全性)重大な出血は32例(3.5%)vs 28例(3.1%):RR 1.15(0.7-1.9),P=0.59。

[その他]
死亡:46例(5.1%)vs 39例(4.3%),再梗塞:24例,8例,TLR:24例,6例。ステント血栓症は24例(3.4%)vs 6例(0.9%): 3.91(1.6-9.5),P=0.001。

presenter: Adeel Shahzad ( Liverpool Heart and Chest Hospital, UK )
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