循環器トライアルデータベース
学会情報
前のページにもどる

8月28日 Hot Line III Late Breaking Trials on Arrhythmias and CAD

FAME 2
Fractional Flow Reserve versus Angiography for Multivessel Evaluation II
薬剤溶出性ステントによるPCIを施行予定の安定多枝病変患者において,冠血流予備量比を指標としたPCI+至適薬物治療は至適薬物治療のみにくらべ有害心イベント,特に緊急再血行再建術のリスクを有意に抑制。
 
背景・目的
PCIを施行予定の安定多枝冠動脈疾患(CAD)患者において,血管造影時に冠血流予備量比(Fractional Flow Reserve:FFR)を測定し,生理学的な虚血を有する症例のみにPCIと至適薬物治療を行った場合,至適薬物治療のみにくらべ主要有害心イベント(MACE)が抑制されるかを検討。

[一次エンドポイント]24ヵ月後のMACE(全死亡,心筋梗塞,緊急再血行再建術)。


 
デザイン
ランダム化,多施設(欧州と北米の28施設)。

 
対象
1,220例。薬剤溶出性ステントによるPCIが予定されている安定多枝(1-3枝)病変患者。

 
期間
登録期間は2010年5月-2012年1月。

 
治療
FFR測定後にランダム化。
FFR≦0.80(888例):PCI+薬物治療群(447例) vs 薬物治療群(441例)。
FFR>0.80(332例):至適内科治療を実施。このうちランダムに抽出した166例を観察群として,上記2群と比較。

 
結果
PCI+薬物治療群でMACEの有意な抑制が認められたため,試験は2012年1月に早期中止された。

[一次エンドポイント]
PCI+薬物治療群は内科治療群にくらべMACEを有意に抑制(kaplan-Meier:ハザード比0.32;95%信頼区間0.19-0.53 P<0.001)。なかでも,緊急再血行再建術の抑制が顕著だった(0.13;0.06-0.30,P<0.001)。

[その他]
観察群では,血管造影上の狭窄にかかわらず,内科治療のみで転帰は良好。


 
presenter: B De Bruyne, MD, PhD ( Cardiovascular Center Aalst, BE )

FAME試験は,多枝病変に対するDES植込み例において,冠血流予備量比(FFR:狭窄血管の最大血流量/正常血管の最大血流量比)のルーチン測定により1年後の有害心イベントが有意に抑制されたと発表→文献情報


前のページにもどる
UP
--------------------
(c) copyright 2001-. Life Science Publishing Co., Ltd
EBM LIBRARY