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8月26日 Hot Line I Late Breaking Trials on Prevention to Heart Failure

DeFACTO 
Determination of Fractional Flow Reserve by Anatomic Computed Tomographic Angiography
冠動脈疾患もしくは疑われる症例において,冠動脈CT造影(CT)+CTから算出した非侵襲的冠血流予備量比(FFRCT)は事前に設定した一次エンドポイント基準を満たさなかったものの,CTのみにくらべて虚血の診断精度を改善。
 
背景・目的
冠動脈CT造影(CT)は冠動脈の解剖学的狭窄を非侵襲的に診断できるが,虚血の有無は判断できない。生理学的な虚血の診断には冠血流予備量比(Fractional Flow Reserve:FFR)がゴールドスタンダードとして使用されているが,侵襲的である。そこで,新たに非侵襲的方法として開発されたCTから算出したFFR(FFRCT)+CTによる虚血の診断精度をCTのみと比較する。

[一次エンドポイント]FFRCT+CTによるper-patientの虚血診断正確度の改善(基準:95%信頼区間の下限>70%)。


 
デザイン
観察研究,多施設(5ヵ国17施設)。

 
対象
252例(407血管)。64列以上のCTを実施し,CT後60日以内に侵襲的冠動脈造影(ICA)を施行予定の患者。
■患者背景:平均年齢63歳,男性71%,白人67%,アジア人31%,家族歴20%,FFR≦0.80 37%,≧50%の狭窄:ICA 47%,CT 53%。

 
期間
2010年10月-2011年10月。

 
方法
CT+FFRCT vs CT。
ICA施行時に侵襲的に測定したFFRをスタンダードとして比較。FFRCTまたはFFR≦0.80を虚血,CTまたはICA≧50%の狭窄を閉塞性冠動脈疾患(CAD)と定義。

 
結果
[一次エンドポイント]
診断の正確度は,FFRCT+CTが73%(95%信頼区間67-78%),CTのみが64%(58-70%)。

[その他]
FFRCT+CTの感度は90%(84-95%),特異度は54%(46-83%),陽性的中率は67%(60-74%),陰性適中率は84%(74-90%)。 CTのみにより検出された閉塞性CADと比較すると(AUC:0.68;95%CI 0.62-0.74),FFRCTは識別能を有意に改善(0.81;0.75-0.86,P<0.001)。


 
presenter: JK Min, MD ( Cedars-Sinai Heart Institute, US )


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