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メタ解析
PCI施行心房細動患者における抗血栓療法2剤併用と3剤併用の比較
Safety and efficacy outcomes of double vs. triple antithrombotic therapy in patients with atrial fibrillation following percutaneous coronary intervention: a systematic review and meta-analysis of non-vitamin K antagonist oral anticoagulant-based randomized clinical trials
結論 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を施行する心房細動患者において,抗血栓薬2剤併用療法,特にビタミンK拮抗薬(VKA)の代わりに非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)とP2Y12受容体拮抗薬を組み合わせたそれは,大出血および頭蓋内出血を含む出血リスク低下と関連していた。しかしこのベネフィットは,おもにステント血栓症から成る心イベント(脳血管イベントではなく)の増加に相殺された。

目的 PCI施行心房細動患者における至適抗血栓療法は臨床上問題となっている。本メタ解析では,それらの患者において,NOACをベースにした抗血栓薬2剤併用療法(NOACのいずれか+P2Y12受容体拮抗薬;DAT)と3剤併用療法(VKAのいずれか+抗血小板薬2剤併用療法;TAT)の安全性および有効性を比較した。
方法 PubMed(開始日~2019年8月13日)にて,PCIを受けた心房細動患者が50%以上で,DATまたはTATに割り付けられたランダム化比較試験を検索した。clinicaltrialresult.orgなどの関連ウェブサイト,ならびに先行システマティックレビュー/メタ解析の文献の検索も行った。観察研究,登録データ,進行中の試験,症例シリーズは除外した。
安全性評価項目:4試験の追跡期間(6~14ヵ月)におけるISTH出血基準の大出血または臨床的に意味のある非大出血。有効性評価項目:全死亡,心血管死,試験により定義された主要有害心血管イベント(MACE),心筋梗塞,脳卒中,ステント血栓症。
対象 4試験(AUGUSTUSENTRUST AF-PCIPIONEER AF-PCIRE-DUAL PCI)。
10,234例(DAT群5,496例,TAT群4,738例)。
PIONEER AF-PCIのうち,低用量rivaroxaban+aspirin+P2Y12受容体拮抗薬が投与された709例は,低用量rivaroxabanは心房細動患者における血栓塞栓症予防として認可されていないため,解析から除外した。
主な結果 ・安全性評価項目
安全性評価項目はDAT群13.4%と,TAT群20.8%より少なかった(RR 0.66,95%CI 0.56-0.78,p<0.0001,I2=69%)。
大出血:4.1%,6.4%,RR 0.64,95%CI 0.52-0.80,p<0.0001,I2=37%。
臨床的に意味のある非大出血:9.8%,14.9%,RR 0.68,95%CI 0.56-0.82,p<0.0001,I2=66%。
この結果は,検討できたすべての出血基準において一貫していた。

・頭蓋内出血
NOACをベースとしたDATはVKAをベースとしたTATにくらべ,頭蓋内出血を一貫して減少させた(0.28%,0.86%,RR 0.33,95%CI 0.17-0.65,p=0.001,I2=0%)。

・有効性評価項目
全死亡,心血管死,MACE,脳卒中には有意差は認められなかった。
全死亡:4.0%,3.7%,RR 1.10,95%CI 0.91-1.34,p=0.32,I2=0%。
心血管死:2.6%,2.4%,RR 1.10,95%CI 0.86-1.41,p=0.44,I2=0%。
MACE:8.6%,8.0%,RR 1.08,95%CI 0.95-1.23,p=0.26,I2=0%。
脳卒中:1.1%,1.1%,RR 1.00,95%CI 0.69-1.45,p=0.99,I2=0%。
ステント血栓症はDAT群のほうがTATにくらべ増加,心筋梗塞は増加傾向がみられた。
ステント血栓症:1.0%,0.6%,RR 1.59,95%CI 1.01-2.50,p=0.04,I2=0%。
心筋梗塞:3.6%,3.0%,RR 1.22,95%CI 0.99-1.52,p=0.07,I2=0%。
文献: Gargiulo G, et al. Safety and efficacy outcomes of double vs. triple antithrombotic therapy in patients with atrial fibrillation following percutaneous coronary intervention: a systematic review and meta-analysis of non-vitamin K antagonist oral anticoagulant-based randomized clinical trials. Eur Heart J 2019; 40: 3757-3767. pubmed
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