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RE-SPECT ESUS Randomized, Double-Blind, Evaluation in Secondary Stroke Prevention Comparing the Efficacy and Safety of the Oral Thrombin Inhibitor Dabigatran Etexilate versus Acetylsalicylic Acid in Patients with Embolic Stroke of Undetermined Source
結論 最近発症した,塞栓源不明の塞栓性脳卒中患者における脳卒中再発予防について,dabigatranはaspirinに比しすぐれていなかった。dabigatran群の大出血はaspirin群にくらべ増加しなかったが,臨床的に問題となる非大出血は増加した。
コメント 塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS)には,多くの潜在性心房細動症例が含まれると推定される。そこで,ESUSの脳梗塞再発予防において,ダビガトランがアスピリンに対して優越性を示すことが期待された。しかし,本研究でそれを証明することができなかった。ダビガトラン(150mg BID群)がワルファリンに対し,非弁膜症性心房細動における虚血性脳血管障害抑制に優越性を示した(RE-LY試験)ことを考慮すると,ESUSと診断された対象に,潜在性心房細動以外の病態に基づく脳梗塞がかなりの割合で混入したものと推察される。ESUSの診断基準の改訂やESUS症例での植え込み型長時間心電図での心房細動の検索などを,より積極的に考慮すべきかもしれない。(矢坂正弘

目的 潜因性脳卒中は脳梗塞の20~30%を占め,その多くは塞栓性で,塞栓源不明とされている。以前に行われた,塞栓源不明の塞栓性脳卒中再発予防に関するランダム化比較試験(NAVIGATE ESUS)では, rivaroxabanはaspirinにくらべ,有効性を示さなかった。本試験ではdabigatranの有効性,安全性について検討を行った。有効性主要評価項目:脳卒中再発。安全性主要評価項目:ISTH出血基準大出血
デザイン ランダム化,二重盲検試験。NCT02239120。
セッティング 多施設(564施設),42ヵ国。
期間 登録期間は2014年12月~2018年1月。追跡期間中央値19ヵ月。
対象患者 5,390例。塞栓源不明の塞栓性脳卒中発症から3ヵ月以内,または6ヵ月以内かつ血管リスク因子を有する≧60歳の患者,当該脳卒中発症から3ヵ月以内で追加的血管リスク因子を有する18~59歳の患者。
【除外基準】-
【患者背景】平均年齢はdabigatran群64.5歳,aspirin群63.9歳。各群の女性37.1%,36.6%。白人71.5%,72.9%。当該脳卒中からランダム化までの期間中央値46.0日,43.0日。modified Rankin Score(mRS)中央値1,1。National Institute of Health stroke scale(NIHSS)中央値1,1。一過性脳虚血発作または脳卒中既往17.6%,18.6%。
治療法 以下の2群にランダム化。
dabigatran群:2,695例。150mg 1日2回投与(≧75歳,推算クレアチニンクリアランス30~50mL/分の患者には110mg 1日2回投与)。冠動脈疾患を有する場合,aspirin服用可とした。
aspirin群:2,695例。非腸溶錠100mg 1日1回投与。
追跡完了率
結果

●評価項目
脳卒中再発はdabigatran群177例(6.6%,4.1%/年),aspirin群207例(7.7%,4.8%/年)で,同程度であった(HR 0.85,95%CI 0.69-1.03,p=0.10)。
脳梗塞:172例(4.0%/年),203例(4.7%/年)(HR 0.84,95%CI 0.68-1.03)。
出血性脳卒中:6例(0.1%/年),7例(0.2%/年)(HR 0.86,95%CI 0.29-2.55)。
ISTH大出血はdabigatran群77例(2.9%,1.7%/年),aspirin 群64例(2.4%,1.4%/年)で,同程度であった(HR 1.19,95%CI 0.85-1.66)。
臨床的に問題となる非大出血はdabigatran群70例(1.6%/年)のほうがaspirin群41例(0.9%/年)より多かった(HR 1.73,95%CI 1.17-2.54)。
頭蓋内出血は両群32例(0.7%/年)(HR 0.98,95%CI 0.60-1.60)。

●有害事象

文献: Diener HC, et al.; RE-SPECT ESUS Steering Committee and Investigators. Dabigatran for Prevention of Stroke after Embolic Stroke of Undetermined Source. N Engl J Med 2019; 380: 1906-1917. pubmed
関連トライアル ACTIVE A, APPRAISE, APPRAISE-2, ARISTOTLE, ARRIVE, ASPIRE, AVERROES, CASISP, Chan YH et al, CHANCE, CLOSURE I, COMPASS, COMPASS, COMPASS CAD, COMPASS PAD, COMPRESS, EAFT 1993, EINSTEIN CHOICE, EPCAT II, Ho CW et al, JPAD, JPPP, MANAGE, NAVIGATE ESUS, NAVIGATE ESUS patent foramen ovale, PEGASUS-TIMI 54, PEGASUS-TIMI 54 prevention of stroke, PRoFESS, PRoFESS disability and cognitive function, RE-COVER II , RE-DUAL PCI, RE-LY, RE-LY according to age, RE-LY Asian subgroup, RE-LY concomitant use of antiplatelet, RE-LY previous TIA or stroke, RE-LY quality of INR control, RE-MEDY & RE-SONATE, REAFFIRM, RELY-ABLE, ROCKET AF, S-ACCESS, SOCRATES, SOCRATES ESUS, SPS3, WARCEF, WARFASA, WARSS, Yao X et al
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