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ETNA-VTE-Japan Edoxaban Treatment in Routine Clinical Practice in Patients with Venous Thromboembolism-Japan
結論 日本人の静脈血栓塞栓症(VTE)患者に対するedoxaban投与について,最初の3ヵ月における安全性,有効性には大きな懸念がないことが確認された。
コメント わが国において,VTEに対しエドキサバンが新規に投薬された患者を対象としたリアルワールドデータの,3ヵ月時点での中間解析結果である。89%の患者が添付文書通りの用量で投薬されていたものの,年齢や血栓量,出血の既往などといった要因が,減量基準以外での減量に影響していることが示唆された。今回の中間解析では,減量がVTE再発率上昇につながる傾向は認められなかったが,過去に行われた臨床研究結果と比較するためにも,12ヵ月の最終解析結果が待たれるところである。(山田典一

目的 ETNA-VTE-Japanは市販後調査の一端として行われている,進行中の前向き観察研究である。VTE治療または予防のため新規にedoxabanが処方された患者において,同剤の有効性・安全性を検討することを目的としている。本試験の観察期間は12ヵ月を予定しているが,本論文は3ヵ月経過時の中間解析である。安全性主要評価項目:有害事象または薬物有害反応(出血性有害事象を含む)。有効性主要評価項目:VTE再発率。
デザイン 観察研究。UMIN000016387。
セッティング 多施設(281施設),日本。
期間 登録期間は2015年2月1日~2017年7月31日。平均治療期間は74.5日。
対象患者 1,732例(有効性解析1,699例,安全性解析1,703例)。VTE(深部静脈血栓症[DVT]または肺塞栓症[PE])の診断をうけ,VTE治療または再発予防のためにedoxabanを新規に処方された患者。
【除外基準】プロトコル違反,オフラベル使用など。
【患者背景】平均年齢は60mg群62.1歳,30mg群70.9歳,15mg群76.8歳。それぞれの女性37.1%,72.2%,77.3%。治療前の平均クレアチニンクリアランス98.3mL/分,66.2 mL/分,53.6 mL/分。VTEの診断:PE(DVT合併の有無を問わない)50.7%,38.1%,31.8%,近位部DVT 25.3%,26.5%,31.8%。孤立性遠位部DVT単独23.9%,35.0%,36.4%。出血既往6.4%,8.4%,9.1%。
治療法 edoxaban投与量の内訳は,60mg:582例,30mg:1,099例,15mg:22例。
追跡完了率
結果

●評価項目
添付文書通りの用量を投与されていたのは1,502/1,688例*(89.0%),治療を継続したのは1,358/1,703例(79.7%)であった。
出血性有害事象は107例(6.3%),うち大出血は23例(1.4%)に発生した。もっとも多かった大出血の部位は消化管(10例)で,出血性有害事象の2/3は最初の30日間に発生した。
on-treatment集団1,699例におけるVTE再発は14例(0.8%),うち症候性VTE再発は6例(0.4%)であった。
低用量(30mg/日)を投与された,出血リスクが高いと考えられる患者における有効性・安全性は,標準用量(60mg/日)を投与された患者と同様であった。
*:投与量調整についての情報が不明の15例を除外

●有害事象

文献: Nakamura M, et al. Safety and Effectiveness of Edoxaban in Japanese Patients With Venous Thromboembolism - An Interim Analysis of Data From a Japanese Postmarketing Observational Study (ETNA-VTE-Japan). Circ J 2019; 83: 1394-404. pubmed
関連トライアル CATCH, Coleman CI et al, ENSURE-AF, FONDAIR, Hokusai VTE genetics, Hokusai VTE Cancer, Hokusai-VTE, Hokusai-VTE East Asia patients, Koretsune Y et al, 急性VTE治療における新規経口抗凝固薬とビタミンK拮抗薬の比較
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