抗血栓トライアルデータベース
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Yoon Y et al Usefulness of cilostazol versus ticlopidine in coronary artery stenting
結論 ステント植込み後の抗血栓療法として,cilostazol+aspirin併用は,ステント血栓症を含む主要な心イベントの抑制にticlopidine+aspirin併用と同等の有効性を示した。また,両群間で有害事象および合併症の発生率に有意差がなく,cilostazol+aspirin併用投与による好中球減少症の発生もみられなかったことから,本併用投与がより安全であることが示された。

目的 待機的冠動脈ステント植込み施行例において,抗血小板薬cilostazol+aspirin併用とticlopidine+aspirin併用の有効性と安全性を比較検討。
一次エンドポイント:30日後の血管造影上で確認されたステント血栓症+主要な心イベント[死亡,心筋梗塞(Q波MIまたは非Q波)+バイパス術(緊急または待機的)+再血行再建術(緊急または待機的)施行]の複合。二次エンドポイント:30日後の局所的な血管性合併症,重度の出血性合併症,血液異常(血小板減少症あるいは好中球減少症などを含む),投与中止を要するその他の有害事象。
デザイン ランダム化,非盲検。
セッティング 単施設。韓国。
期間 追跡期間は30日。登録期間は1996年5月~1998年10月。
対象患者 連続した300例。血管造影上で50%以上の狭窄を有し,かつ臨床上または客観的な診断で心筋虚血が明白である待機的ステント植込み施行を要する症例。
【除外基準】試験薬への禁忌,出血性素因の既往,重度の肝または腎不全,血小板減少症(<15万/mm3)あるいは白血球減少症(<3,000/mm3)。
治療法 血管形成術施行の3日以上前にcilostazol 200mg/日(分2)+aspirin 100mg/日併用投与群(150例:C+A群)とticlopidine 500mg/日(分2)+aspirin併用投与群(150例:T+A群)にランダム化。
cilostazolおよびticlopidine投与はいずれもステント植込み施行2日前に開始し,30日間投与。aspirinは施行2日前から投与を開始し,その後無期限で継続投与。
施行中,全例にheparin 1万Uボーラス投与を実施し,活性化凝固時間>300秒維持に必要な場合は5,000Uを追加ボーラス投与。
追跡完了率 296例で解析可能(98.7%)。
【脱落理由】ステント植込み不可能1例,追跡不可能3例。
結果

●評価項目
296例(C+A群147例,T+A群149例)で解析。ベースライン時の患者背景に両群間で有意差なし。
一次エンドポイント発生は,C+A群2例(1.4%),T+A群3例(2.0%)と有意差なし(p=1.0)。各エンドポイント発生率は,血管造影上のステント血栓症(C+A群0.7% vs T+A群0.7%),MI(1.4% vs 1.3%),再血行再建術(0.7% vs 0.7%)。緊急あるいは待機的バイパス術施行は両群でみられなかった。突然死はT+A群で1例のみ。

●有害事象
30日後の重大な出血および局所的な血管性合併症の発生率は全体的に低く,両群で同等であった[C+A群2例(1.4%)vs T+A群3例(3.0%),p=1.0]。頭蓋内および臓器内出血はなし。
薬物関連の有害事象の発生に両群間で有意差はみられなかったものの,T+A群で4例(2.7%)と,C+A群の1例(0.7%)に比し多かった(p=0.37)。好中球減少症はT+A群でのみ2例(1.3%)認められ,血小板減少症は両群ともにみられなかった。
有害事象による投与中止はT+A群2例(発疹,胃腸障害が各1例),C+A群1例(胃炎)であった。

文献: Yoon Y, et al: Usefulness of cilostazol versus ticlopidine in coronary artery stenting. Am J Cardiol 1999; 84: 1375-80. pubmed
関連トライアル Berger PB et al 1999, CASISP, CLASSICS, DECLARE-DIABETES, DECLARE-LONG II, DES LATE, EPISTENT 1998, EPISTENT 1999, EPISTENT 1999, EXCELLENT, ISAR, KAMIR, KAMIR triple vs. dual antiplatelet therapy, MATTIS, Mishkel GJ et al, Moussa I et al, Müller C et al, Ochiai M et al, PCI-CURE, Pfisterer M et al, REAL-LATE / ZEST-LATE, STARS, Take S et al, TOSS-2, TRITON-TIMI 38 PCI
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