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García E et al Primary angioplasty versus systemic thrombolysis in anterior myocardial infarction
結論 インターベンション施行に習熟したスタッフを有する施設においては,急性前壁梗塞治療として,primary PTCAはt-PAを用いた全身血栓溶解療法より優れていることが示された。

目的 前壁梗塞患者において,primary PTCAと急速t-PAを用いた全身血栓溶解療法の院内死亡に対する抑制効果を比較検討。
一次アウトカム:院内死亡。二次アウトカム:非致死性再梗塞,梗塞後虚血,初回治療後の再血行再建術の必要性。
デザイン ランダム化,intention-to-treat解析。
セッティング 単施設(スペイン)。
期間 追跡期間は6ヵ月。ランダム化の期間は1991年7月~1996年5月。
対象患者 220例。発症後5時間以内の前壁梗塞患者。無作為化試験の対象患者189例(本試験対象症例の86%)+GUSTO IIb対象症例のうち31例(14%)。AMIが疑われる患者で,以下に該当する症例:硝酸薬が奏効せず,胸痛が30分~5時間持続,12誘導心電図にて前胸部の2誘導以上でのST上昇(≧0.2mV)が認められる。
【除外基準】血栓溶解療法への禁忌,左脚ブロック,18歳未満,妊娠可能な女性。
治療法 全例にaspirin 300mg静注後,primary PTCA群(109例)と全身血栓溶解療法群(111例)にランダム化。
primary PTCA群:heparin 1万IUボーラス投与後,活性化凝固時間が350秒以上となるよう用量調整。PTCA施行後,シース除去からheparin投与を再開し,48時間にわたって部分トロンボプラスチン時間がコントロールの2倍となるよう用量調整。
血栓溶解療法群:alteplase 15mgをfront-loaded法にてボーラス静注後,0.75mg/kgで30分間静注(最大50mg),0.50mg/kgで60分間静注(最大35mg)。同時にheparin 5,000IUをボーラス静注後,1,000IU/時で持続静注を開始し,48時間以上にわたって部分トロンボプラスチン時間がコントロールの2倍となるよう用量調整。
追跡完了率 6ヵ月後の追跡完了率は94.5%(190/201例)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
ベースライン時の患者背景は両群間で同等。
院内死亡率は,primary PTCA群で血栓溶解療法群に比し有意に低く[2.8%(3例) vs 10.8%(12例),p=0.02],primary PTCAは院内死亡率の低下と独立した相関を示した(補正後オッズ比0.23,95%CI 0.06-0.85)。また,primary PTCA群では,梗塞後虚血(入院中の梗塞後狭心症または運動負荷試験陽性)発生率[11.9%(13例) vs 25.2%(28例),p=0.01],および再血行再建術(PTCAまたはCABG)の施行率が有意に低かった[22.0%(24例) vs 47.7%(53例),p<0.001]。非致死性再梗塞については,両群間に差は認められなかった[3.7%(4例) vs 5.5%(6例),p=NS]。
6ヵ月後の追跡は190例(primary PTCA群99例,血栓溶解療法群91例)で完了(追跡不可能例の割合は,各群5%,6%)。6ヵ月後における累積死亡率[4.6%(5例) vs 11.7%(13例),p=0.05],および再血行再建術の累積施行率[31.2%(34例) vs 55.9%(62例),p<0.001]に関しても,primary PTCA群で有意に低下した。非致死性再梗塞の累積発生率は有意差なし[5.5%(6例) vs 7.2%(8例),p=NS]。

●有害事象
軽度の有害事象(輸血を要する出血)の発生は,primary PTCA群3例(2.8%),血栓溶解療法群4例(3.6%)と有意差は認められなかった。

文献: García E, et al. Primary angioplasty versus systemic thrombolysis in anterior myocardial infarction. J Am Coll Cardiol 1999; 33: 605-11. pubmed
関連トライアル Barbash GI et al, ECSG-RTPA, GUSTO IIb 1997, GUSTO-I 1993, LATE 1993, MINT, PACT, PAMI, SYNERGY, TAMI 1 1988, TIMI II 1989, TIMI IIA 1988
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