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TACTICS-TIMI 18 2001 Treat Angina with Aggrastat and Determine Cost of Therapy with an Invasive or Conservative Strategy-Thrombolysis in Myocardial Infarction 18
結論 血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬tirofiban投与を受けている非ST上昇の不安定狭心症および心筋梗塞(MI)患者において,早期侵襲的治療は主要な心イベントを有意に抑制した。本試験結果は,早期侵襲的治療に併用した早期のGP IIb/IIIa受容体拮抗薬投与の適応拡大を支持している。

目的 不安定狭心症または非ST上昇心筋梗塞(MI)患者において,早期の侵襲的治療と保存的治療(薬物療法,選択的侵襲治療)の有効性を比較検討。
一次エンドポイント:6ヵ月以内の死亡+非致死性MI+急性冠症候群による再入院。
デザイン ランダム化。
セッティング 多施設。
期間 追跡期間は6ヵ月。ランダム化の期間は1997年12月~1999年12月。
対象患者 2,220例。年齢≧18歳(平均62歳)。24時間以内に狭心症症状[安静時または最小労作時において発症が加速傾向,持続時間の延長(>20分),頻発]を有していた症例,および,次の3所見のうち1つ以上を有する症例:新規のST下降(≧0.05mV),一過性(<20分)のST上昇(≧0.1mV),2誘導以上でのT波陰転化(≧0.3mV)。トロポニン値の上昇。カテーテル検査・血行再建術・MIの病歴から明らかな冠動脈疾患。
【除外基準】持続性ST上昇,二次性狭心症,過去6ヵ月以内のPTCAまたはCABG施行歴,出血リスクを増加させる因子を有する症例,左脚ブロックまたはペースメーカー植込み,重篤なうっ血性心不全または心原性ショック,血清クレアチニン値>2.5mg/dL,登録前3日以上のticlopidine,clopidogrelまたはwarfarin治療など。
治療法 全例に禁忌がない限り,aspirin 325mg/日を投与,およびheparin 5,000Uボーラス静注後,1,000U/時を48時間注入。tirofiban 0.4μg/kg/分を30分静注後,0.1μg/kg/分を48時間または血行再建術施行まで注入。tirofibanの静注は施行後12時間以上継続。
早期侵襲的治療群(1,114例:ランダム化から4~48時間後に冠動脈造影,適合する場合は血行再建術施行)と保存的治療群(1,106例:薬物療法,状態が安定していれば運動負荷試験を実施し,客観的に虚血の再発あるいは負荷試験により異常を認める場合にカテーテル法を実施)にランダム化。
追跡完了率 追跡不完了率は1.2%(27例)。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
一次エンドポイントの発生率は侵襲的治療群で有意に抑制された(15.9% vs 19.4%,オッズ比0.78,95%CI 0.62-0.97,p=0.025)。30日後においても一次エンドポイントは侵襲的治療群で有意に減少(7.4% vs 10.5%,0.67,0.50-0.91,p=0.009)。同様に,死亡または非致死性MIの発症率も侵襲的治療群で有意に低下(30日後:4.7% vs 7.0%,オッズ比0.65,95%CI 0.45-0.93,p=0.02,6ヵ月後:7.3% vs 9.5%,0.74,0.54-1.00,p<0.05)。
いずれのサブグループにおいても早期侵襲的治療のベネフィットが大きく,特にベースライン時にST部分の変化が認められた症例(p=0.006),aspirin投与歴のない症例(p=0.02)において有意であった。さらに,トロポニンT値が高いほど侵襲的治療による一次エンドポイント抑制効果が高かった(トロポニンT値>0.01ng/mL:14.8% vs 24.2%,オッズ比0.55,p<0.001,トロポニンT値≦0.01ng/mL:16.7% vs 14.8%,1.15,p=0.46)。

●有害事象
安静時の再発性虚血の発生率は,心電図上の変化の有無にかかわらず侵襲的治療群で抑制された(心電図上の変化有:6.3% vs 10.3%,p=0.001,変化無:32.3% vs 49.4%,p<0.001)。脳卒中の発症率は各群0.5%。入院期間(中央値)は侵襲的治療群で1日短縮された(5日 vs 6日,p<0.001)。
出血の発生率は,侵襲的治療群5.5%,保存的治療群3.3%と保存的治療群で抑制されたが(p<0.01),TIMI定義による主要な出血の発生率に有意差は認められなかった(1.9% vs 1.3%,p=0.24)。

文献: [main] Cannon CP, et al for the TACTICS-Thrombolysis in Myocardial Infarction 18 Investigators. Comparison of early invasive and conservative strategies in patients with unstable coronary syndromes treated with the glycoprotein IIb/IIIa inhibitor tirofiban. N Engl J Med 2001; 344 :1879-87. pubmed
関連トライアル ACTION Registry-GWTG stratified analysis, ACUITY, ACUITY bivalirudin, ACUITY GP IIb/IIIa inhibitors , CAPTURE 1999, CLARITY-TIMI 28, Cohen M et al, ESSENCE 1997, GUSTO IIb 1996, GUSTO IIb 1997, HORIZONS-AMI , ICTUS, ICTUS 5-year outcomes, OASIS-5, PARAGON-A, PRISM, PRISM-PLUS 1998, PRISM-PLUS 1999, PURSUIT 1998, RESTORE, SYNERGY, TACTICS-TIMI 18 1998, TARGET, TIMI II 1989, TIMI IIIB 1994, TIMI IIIB 1995, TRANSFER-AMI, VANQWISH, 非ST上昇型ACS患者におけるルーチン侵襲治療と選択的侵襲治療の長期転帰, 非ST上昇型急性冠症候群に対する初期侵襲的治療および保存的治療の性差
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