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TARGET Do Tirofiban and ReoPro Give Similar Efficacy Trial
結論 本試験ではabciximabに比較して劣らないtirofibanの有効性を評価することを目的としたが,結果から主要な虚血イベントの抑制においてtirofibanはabciximabに比し優れていないことが示された。

目的 ステントによるPTCA施行例において,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬tirofiban(低分子拮抗薬)とabciximab(モノクロナール抗体)の有効性と安全性を比較検討。
一次エンドポイント:30日以内の死亡+非致死性心筋梗塞(MI)+緊急標的血管血行再建術(TVR)。
デザイン ランダム化,二重盲検,ダブルダミー,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(18ヵ国,149病院)。
アメリカ,スペイン,ドイツ,カナダ,オーストラリア,イギリス,スイス,イタリア,フランス,メキシコ,ベルギー,オーストリア,デンマーク,スウェーデン,ギリシャ,ポルトガル,オランダ,ノルウェー。
期間 追跡期間は30日。登録期間は1999年12月~2000年8月。
対象患者 4,809例。生来血管あるいはバイパスグラフトにおける新規または再狭窄病変(冠動脈造影で確認された狭窄率≧70%)への待機的または緊急ステント植込み施行例。
【除外基準】心原性ショックまたは心電図上でST上昇が確認されたAMI,血清クレアチニン値≧2.5mg/dL,出血中または出血性素因を有する症例,血小板数<12万/μL。
治療法 tirofiban,abciximabは施行直前に静注投与。tirofiban投与群(2,398例:10μg/kgボーラス投与後,0.15μg/kg/分を18~24時間静注)とabciximab投与群(2,411例:0.25mg/kgボーラス投与後,0.125μg/kg/分:最大10μg/分を12時間静注)にランダム化。
全例に施行前にaspirin 250~500mg経口投与。可能であれば施行前2~6時間にclopidogrel 300mg経口投与。その後,aspirin 75~325mg,clopidogrel 75mgを30日間継続投与。施行開始前にheparin<70U/kg(目標活性化凝固時間250秒)を投与。
追跡完了率 プロトコール逸脱による解析除外例は499例(9.4%)。
【脱落理由】試験薬の非服用。
結果

●評価項目
一次エンドポイント発生率は,abciximab群6.0%,tirofiban群7.6%とabciximab群で有意に抑制された(ハザード比1.26,95%CI 1.01-1.57,p=0.038)。イベント別のハザード比では,死亡率1.21,非致死性MI発症率1.27,緊急TVR施行率1.26といずれもabciximab群で優れていた。特にMI発症が有意に抑制され(5.4% vs 6.9%,p=0.04),梗塞サイズが大きくなるほどabciximabの有効性も高まった[クレアチンキナーゼ(CK)-MB値:正常値の3~5倍のリスク比:0.86,6~10倍:1.26,>10倍1.47,異常Q波:1.66]。
abciximabの相対ベネフィットは,年齢,性別,糖尿病の有無,clopidogrelの施行前投与の有無,地域にかかわらず一貫して認められた。

●有害事象
重大な出血性合併症,または輸血の発生率には両群間で有意差は認められず(大出血:tirofiban群0.9% vs abciximab群0.7%,赤血球輸血:1.2% vs 1.5%,血小板輸血:0.4% vs 0.5%),全体での発生も0.8%と低率であった。一方,軽度の輸血および血小板減少症の発生率はabciximab群で有意に高かった(軽度の輸血:2.8% vs 4.3%,p<0.001)。

文献: [main] Topol EJ, et al for the TARGET Investigators. Comparison of two platelet glycoprotein IIb/IIIa inhibitors, tirofiban and abciximab, for the prevention of ischemic events with percutaneous coronary revascularization. N Engl J Med 2001; 344: 1888-94. pubmed
関連トライアル ACUITY GP IIb/IIIa inhibitors , BRAVE-3, CAPTURE 1999, EASY, EPIC 1994, EPIC 1997, EPIC 1997, EPILOG 1997, EPILOG 1998, EPISTENT 1998, EPISTENT 1999, EPISTENT 1999, EPISTENT 1999, EXCITE, FATA, GUSTO IV-ACS, ISAR-REACT 4, ISAR-SWEET, MULTISTRATEGY, PPCIを行うSTEMI患者におけるabciximabと小分子の有用性, PRISM, PRISM-PLUS 1998, RAPPORT, RESTORE, TACTICS-TIMI 18 2001
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