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GUSTO IV-ACS Global Utilization of Strategies to Open Occluded Coronary Arteries IV-Acute Coronary Syndromes
結論 本試験の結果から,急性冠症候群(ACS)による入院患者においてabciximabは第一選択薬としては有効でないことが示唆された。

目的 急性冠症候群(ACS)の早期血行再建術非施行例において,血小板IIb/IIIa受容体拮抗薬abciximabの有効性を検討。
一次エンドポイント:30日以内の全死亡または心筋梗塞(MI)。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(24ヵ国,458病院)。
オーストラリア,オーストリア,ベルギー,カナダ,チェコ,デンマーク,フィンランド,フランス,ドイツ,ギリシャ,アイルランド,イスラエル,イタリア,オランダ,ニュージーランド,ノルウェー,ポーランド,ポルトガル,南アフリカ,スペイン,スウェーデン,スイス,イギリス,アメリカ。
期間 追跡期間は30日。登録期間は1998年7月~2000年4月。
対象患者 7,800例。年齢≧21歳(平均65歳)。高リスクのACS(胸痛,ST下降またはトロポニンT,I濃度の上昇)による入院患者。持続するST上昇のない,24時間以内に5分以上持続する狭心症症状を1つ以上有する,併発疾患(左室肥大など)または治療薬(digoxinなど)によるものと判明していない一過性あるいは持続性ST下降(≧0.5mm)。
【除外基準】アテローム性冠動脈疾患以外の疾患による心筋虚血,持続性ST上昇MI,新規の左脚ブロック,過去14日以内の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行歴,登録後30日以内の待機的PCIまたは冠動脈バイパス術施行予定例,活動性の内出血または出血性素因の既往,過去6週間以内の大手術・重篤な外傷,または消化管・泌尿器における臨床上重大な出血の既往など。
治療法 次の3群にランダム化。abciximab 24h投与群(2,590例):0.25mg/kgボーラス投与後,0.125μg/kg/分(最大10μg/分)を24時間静注,その後プラセボ24時間静注。abciximab 48h投与群(2,612例):abciximab 24h群と同じ要領で48時間静注。プラセボ群(2,598例):プラセボボーラス投与後,48時間静注。
ランダム化直後,全例にaspirin 150~325mg経口投与(または250~500mg静注)後,禁忌でない限り75~325mgを30日以上継続投与。低分子量heparinサブスタディ参加者を除く全例に,未分画heparin 70U/kg(最大5,000U)をボーラス投与後,10U/kg/時(最大800U/時)を活性化部分トロンボプラスチン時間が50~70秒を維持するように48時間漸増投与。
サブスタディ(北欧など6ヵ国)群は,未分画heparinの代わりにdalteparin 120IU/kg(最大1万IU)を12時間ごとに5~7日間,または血行再建術施行時,退院時まで皮下注した。
β遮断薬の併用投与を強く推奨。その他の狭心症治療薬(硝酸薬,Ca拮抗薬,ACE阻害薬)の投与は主治医の判断に委ねた。ベースライン時,48時間,30日後に心電図,ベースライン時,8,16,24,36,48時間後に血液サンプルを採取しトロポニンTおよびCK-MB値を分析。
サブグループは性別,年齢(<65歳,≧65歳),体重(≦75kg,76~89kg,≧90kg),糖尿病の有無,地域(北アメリカ,西欧,東欧,その他)。
追跡完了率 全例で追跡完了(100%:脱落例なし)。
結果

●評価項目
全対象症例で解析可能であった。一次エンドポイント発生は,プラセボ群209例(8.0%),abciximab 24h群212例(8.2%:vs プラセボ群のオッズ比1.0,95%CI 0.83-1.24),abciximab 48h群238例(9.1%:vs プラセボ群のオッズ比1.1,0.94-1.39)と3群間で有意差なし(p=0.190)。エンドポイント発生率は,48時間,7日,30日後のいずれの時点でも群間差は認められなかったが,48時間の死亡率はabciximab投与群でプラセボ群に比し有意に高かった(abciximab 24h群 vs プラセボ群:p=0.048,abciximab 48h群 vs プラセボ群:p=0.007)。
サブグループ解析の結果,いずれのサブグループにおいてもabciximab投与の有効性は認められなかった。特に65歳以上の高齢者やトロポニンT,I濃度上昇例では,合併症の発生リスクは上昇したにもかかわらず有効性は認められなかった。

●有害事象
出血の発生率は全群で低かったが,プラセボ群に比しabciximab群で高く,特にabciximab 48h群で有意に高かった[大出血:プラセボ群0.3%,abciximab 24h群0.6%,abciximab 48h群1%(vs プラセボ群:p<0.05),軽度の出血:各群2%,3%,4%(abciximab 24h群,48h群 vs プラセボ群:p<0.05)]。また,血小板減少症(血小板数<5万/μL)の発生率もabciximab群で有意に高かった(p<0.05)。

文献: [main] The GUSTO IV-ACS Investigators. Effect of glycoprotein IIb/IIIa receptor blocker abciximab on outcome in patients with acute coronary syndromes without early coronary revascularisation: the GUSTO IV-ACS randomised trial. Lancet 2001; 357: 1915-24. pubmed
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