抗血栓トライアルデータベース
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SIFA Studio Italiano Fibrillazione Atriale
結論 本試験では,デザインの制限にかかわらず,経口抗凝固薬に禁忌または適切な治療法を見出せない非リウマチ性心房細動(AF)患者に対する抗血栓療法の有効性を示した。

目的 脳梗塞を最近発症した非リウマチ性心房細動(AF)患者において,抗血小板薬indobufenおよび抗凝固薬warfarinの有効性と安全性を比較検討。
一次アウトカム:非致死性脳卒中(頭蓋内出血を含む)+非致死性心筋梗塞(MI)+全身性または肺塞栓症+血管死の複合。
デザイン ランダム化,オープン,intention-to-treat解析,on-treat解析。
セッティング 多施設(80施設)。イタリア。
期間 追跡期間は12ヵ月。
対象患者 916例。年齢>30歳。過去2週間以内に一過性脳虚血発作(TIA)または脳梗塞を発症した,持続性あるいは発作性非リウマチ性AF患者(持続性:登録前3週間の複数の心電図所見にて認められる安定したAF,発作性:登録前12ヵ月の心電図またはホルター心電図所見により,2つ以上のAF発作の間に洞調律が認められる症例)。
過去15日以内の脳血管虚血イベント:以下の条件を1つ以上満たす症例:1)障害を伴わない脳卒中(24時間を超える局所性神経障害によるmodified Rankin scale≦3),2)経過に変化のない24時間未満のTIA。
【除外基準】リウマチ性AFまたはイベント発生前2週間の電気的除細動施行。心電図所見による心腔内血栓または腫瘍,左室動脈瘤,重篤なうっ血性心不全(NYHA IV度),人工心臓弁置換術,過去1ヵ月以内のAMIまたは不安定狭心症,過去6ヵ月以内の頸動脈内膜切除術または冠動脈あるいは末梢動脈血行再建術施行歴,コントロール不能な重度の動脈性高血圧症,後天的または先天的弁膜症(僧帽弁逸脱,僧帽弁輪石灰化を除く)。CT所見による脳内出血,動静脈奇形または腫瘍,重篤な脳疾患,外科手術を要する頸動脈病変。長期的な抗凝固療法の必要性,試験薬に禁忌,重篤な腎または肝不全など。
治療法 indobufen 200mg/日(分2)経口投与群(462例)とwarfarin投与群(454例:INR値2.0-3.5を目標に補正投与)にランダム化(4例を1ブロックとし,施設で層別化しブロック割付け)。indobufen:200mg/日投与量を推奨用量としたが,腎機能に障害を有する症例(クレアチニンクリアランス値<80mL/分)へは100mg/日(分2)とした。
血小板凝集または血液凝固,あるいは試験薬の作用に影響をおよぼす薬剤は使用不許可。重篤な有害事象または合併症を発症した場合は,担当医の裁量により必要に応じて投与中止。
追跡完了率 追跡不完了および脱落例は90例(9.8%)。
【脱落理由】試験薬投与による有害反応,患者の継続拒否,合併症,医師の判断など。
結果

●評価項目
一次アウトカム発生はindobufen群49例(10.6%,95%CI 7.7-13.5),warfarin群41例(9.0%, 6.3-11.8)と有意差はなく(intention-to-treat解析による2群間の差:0.016,95%CI 0.016-0.048, p<0.025),on-treat解析においても各群44例(9.7%,95%CI 6.9-12.5),35例(7.9%,5.3-10.5)と同等であった。多くみられた一次アウトカムは,脳卒中が8例(各群とも4例),血管死が3例(各群1例,2例)。12ヵ月後のイベント発生が認められなかった症例の割合は,indobufen群88.0%,warfarin群90%であり(intention-to-treat解析,p=0.47),on-treat解析では各群89.2%,91.3%(p=0.47)であった。全脳卒中の発生率は,indobufen群5%(23例),warfarin群4%(18例)と有意差は認められなかった(p>0.05)。これは,indobufen群での軽度の脳梗塞とwarfarin群での脳内出血が相殺されたためと推測された。脳梗塞発症10例中2例がイベント発生時のINR値<2.0であり,出血性脳卒中の4例では2.0-3.5にとどまった。重度または致死性脳卒中はindobufen群17例,warfarin群15例,非血管死は各群4例,3例であった。
多変量Cox回帰分析によると,一次アウトカムの独立した予測因子は MI既往(相対リスク2.35,95%CI 1.29-4.29),脳卒中(1.67,1.09-2.57),脳卒中再発の独立した予測因子はMI既往(3.56,1.53-8.25),脳卒中(2.60,1.29-5.21),女性(2.17,1.06-4.44)であった。

●有害事象
有害事象はindobufen群21例(主に胃痛,悪心,嘔吐),warfarin群33例(主に出血性合併症)で発生し,有害事象による投与中止は各群9例,21例であった。脳内出血を除いた出血は,indobufen群0.6%(3例),warfarin群5.1%(23例,重度の胃腸管出血4例を含む)とindobufen群で有意に抑制された(p<0.01)。

文献: Morocutti C, et al for the SIFA (Studio Italiano Fibrillazione Atriale) Investigators. Indobufen versus warfarin in the secondary prevention of major vascular events in nonrheumatic atrial fibrillation. Stroke 1997; 28: 1015-21. pubmed
関連トライアル ACE , ACTIVE W, AFASAK 2 1999, BAT, EAFT 1993, Fornaro G et al, JNAF-ESP, NASPEAF, Pengo V et al, Pratesi C et al, PROTECT AF, Signorini GP et al, SPAF III 1998, SPIRIT, SPORTIF II , SPORTIF INR control, SPORTIF risk of bleeding, SPORTIF V, TISS, Veterans Affairs Stroke Prevention
in Nonrheumatic Atrial Fibrillation
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