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TASS 1993 Ticlopidine Aspirin Stroke Study
結論 有色人種の脳梗塞既往患者に対するticlopidine投与は,aspirinよりも二次予防に有効であることが示唆された。さらに,有害事象,特に好中球減少症の発生率は両群で同等であった。

目的 脳梗塞既往の有色人種の患者において,抗血小板薬ticlopidineとaspirinの二次予防効果および安全性を比較検討。
一次エンドポイント:非致死性脳卒中+全死亡の複合。二次エンドポイント:致死性+非致死性脳卒中の複合。
デザイン コホート研究。
セッティング 多施設(2ヵ国,56施設)。アメリカ,カナダ。
同TASS Trial(1989年,メインスタディ)。
期間 追跡期間は2~6年。
対象患者 603例(黒人495例,黒人を除いた有色人種108例。メインスタディの対象症例3,034例中の有色人種)。過去3ヵ月以内の一過性脳虚血発作(TIA),一過性黒内障,可逆性虚血性神経障害,軽度の脳卒中の既往症例。
【除外基準】過去3ヵ月以内の頸動脈手術および中等度~重度の脳卒中既往歴。年齢<40歳,妊娠の可能性,消化性潰瘍,上部消化管出血,生命に危険のある疾患,aspirinに過敏症,aspirinまたは抗凝固薬の継続投与の必要性。
治療法 aspirin 1,300mg/日(分2)投与群(291例:黒人238例,その他有色人種53例)とticlopidine 500mg/日(分2)投与群(312例:各257例,55例)投与群にランダム化。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
ベースライン時において,黒人はメインスタディでの白人に比較してTIA,一過性黒内障の既往が少なく(各36.0% vs 46.2%,3.8% vs 7.2%),可逆性虚血性神経障害,軽度の脳卒中既往が多かった(各16.6% vs 11.2%,27.7% vs 21.0%)。また,黒人を除く有色人種では軽度の脳卒中既往が最も多く(43.5%),TIAと黒内障の既往は黒人よりも少なかった。
1年後における一次エンドポイントの累積発生率は,ticlopidine群5.49%,aspirin群10.58%であり,ticlopidine群でのリスク減少率は48.1%であった(2年後の減少率:24.1%,3年後: 7.2%)。1年後の二次エンドポイント発生率は,ticlopidine群3.68%,aspirin群9.39%とticlopidine群におけるリスク減少率は60.8%であった(2年後の減少率:34.2%,3年後:12.2%)。両エンドポイントにおいて,ticlopidine群で抑制を認めたものの有意差はなかった(各p=0.096,p=0.101)。リスク減少率の推移は,有意差が認められたメインスタディ(各p=0.048,p=0.011)と同様に1年ごとに減少した。

●有害事象
有害事象の発生率は,ticlopidine群53.4%,aspirin群46.0%と有意差なし(p=0.07)。有害事象による投与中止例は,ticlopidine群で多くみられた(13.8% vs 10.9%)。ticlopidine群では消化不良が最も多く(30例:9.6%),aspirin群では胃腸管痛が多かった(26例:9.1%)。ticlopidine投与による重大な有害事象である重篤な好中球減少症は,本コホートでは認められなかったが,軽度の症状がticlopidine群9例(2.9%),aspirin群7例(2.5%)に認められた。

文献: [substudy] Weisberg LA for the Ticlopidine Aspirin Stroke Study Group. The efficacy and safety of ticlopidine and aspirin in non-whites: analysis of a patient subgroup from the Ticlopidine Aspirin Stroke Study. Neurology 1993; 43: 27-31. pubmed
関連トライアル AAASPS 2003, Berger PB et al 1999, CAPRIE 1999, CAPRIE 2000, CAST, CAST-IST, CATS, CHARISMA atrial fibrillation, CHARISMA post hoc analysis, Ciuffetti G et al, CLASSICS, CREDO, EMATAP, ESPS-2 1996, IST 1997, JAST, MATCH, MATTIS, Moussa I et al, SPIRIT, TASS 1989, TASS 1993, TISS, Tohgi H
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