抗血栓トライアルデータベース
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AIMS 1988 APSAC Intervention Mortality Study
結論 急性心筋梗塞(AMI)患者への抗血栓療法(APSAC静脈内単回投与)は死亡率の抑制に有効であることが示された。

目的 急性心筋梗塞(AMI)患者において,早期の血栓溶解療法anistreplase(APSAC)による死亡への影響を検討。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設(37施設)。イギリス。
期間 追跡期間は30日~1年。
対象患者 1,004例。年齢≦70歳。AMI様症状の発症から6時間以内。症状が30分以上持続し,心電図所見により,2つ以上の標準誘導でのST上昇(≧0.1mV)および/または2つ以上の前胸部誘導でのST上昇(≧0.2mV)が認められる症例。
【除外基準】出血リスク(出血性素因,消化性潰瘍,脳卒中の既往など),心血管系の禁忌(心原性ショック,重篤な高血圧症,過去1ヵ月以内のMI既往,胸部圧迫の延長など),過去6ヵ月以内の抗凝固療法および抗血栓療法など。
治療法 発症から登録の時間(30分~4時間,4~6時間)などで層別化後,APSAC 30U投与群(5mLの水で還元後,30分以内に5分で静注:502例)とプラセボ投与群(502例)にランダム化。
投与開始6時間後からheparin静注,warfarinは3ヵ月以上継続投与。補助的治療としての鎮痛薬,硝酸薬,抗不整脈薬の投与は許可。禁忌のない限り,退院時にβ遮断薬を投与し,その後継続投与(最大1年)。
追跡完了率 6ヵ月を超える追跡可能率は61%(530例),1年では29%(249例)。
【脱落理由】死亡。
結果

●評価項目
(治療群間における死亡率の差が予想を大きく上回ったため,本試験は早期に中止された。本予備報告では,1987年8月23日までのデータによる2次中間解析を報告。)
対象の18%が65歳以上,3分の2はAMI発症から4時間未満。
30日後の死亡はAPSAC群32例(6.4%),プラセボ群61例(12.2%)とAPSAC群で有意な抑制を認め(p=0.0016),APSAC群で47.5%(95%CI 21.0-65.2%)減少した。本結果を受け,患者の登録を中止。1987年8月23日の時点で,6ヵ月を超える追跡が可能であった症例は530例(61%),1年では249例(29%)。1年後の死亡はAPSAC群48例,プラセボ群85例であり,本結果より 1年後の死亡率をAPSAC群10.8%,プラセボ群19.4%(p=0.0006)と推定。
APSAC群における30日後および1年後の死亡率は,発症から0~4時間の症例(660例)と4~6時間の症例(344例)のいずれにおいても,プラセボに比し明らかに減少した。この群間差は4~6時間の症例でわずかに大きかったものの,有意差は認められなかった。
また,年齢,発症からの時間,治療といった因子は,いずれも生存率に有意な影響をおよぼしていた[30日後の死亡減少率:年齢(<65歳 vs ≧65歳)70%,p<0.0001,発症からの時間(<4時間 vs 4~6時間)41%,p=0.010,治療(APSAC vs プラセボ)51%,p=0.0012,1年後の減少率:各57%,p<0.0001,42%,p=0.0019,47%,p=0.0004]。また,これらは独立した因子であった。

●有害事象
有害事象の発生率は低く,群間に有意差が認められたのは血尿(APSAC群のみ11例,p=0.001),喀血(APSAC群7例,プラセボ群1例,p=0.07)。アナフィラキシー,紫斑がAPSAC群のみで認められた(各2例,4例)。消化管出血(APSAC群7例,プラセボ群8例),低血圧症(8例 vs 6例),脳血管イベント(2例 vs 5例)に差はみられなかった。

文献: [main] AIMS Trial Study Group. Effect of intravenous APSAC on mortality after acute myocardial infarction: preliminary report of a placebo-controlled clinical trial. Lancet 1988; 1: 545-9. pubmed
関連トライアル AIMS 1990, ART, Cardiff-1, Castaigne AD et al, DUCCS-II, EMERAS, GISSI-1 1986, ISIS-2 10 year survival, ISIS-3, LATE 1993
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