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Koch KC et al Influence of a platelet GPIIb/IIIa receptor antagonist on myocardial hypoperfusion during rotational atherectomy as assessed by myocardial Tc-99m sestamibi scintigraphy
結論 血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬の投与により,経皮経管的回転性動脈硬化切除術(PTRA)施行中の一過性低灌流の発生率,拡がり,その程度が抑制された。したがって,PTRA誘発性の低灌流において,血小板凝集が重要な役割を果たすことが示唆された。

目的 血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬abciximabによる,経皮経管的回転性動脈硬化切除術(ロータブレーター術:PTRA)施行中の心筋低灌流に対する効果を検討。
デザイン 非ランダム化。
セッティング 単施設。ドイツ。
期間 -
対象患者 連続した75例。安定狭心症および/または明らかな虚血の兆候が認められ,複雑冠動脈病変へのPTRA施行予定例。
治療法 A群(30例:PTRA施行前後にabciximab静注)とB群(45例:従来治療を実施)で比較。
A群:abciximab 0.25mg/kgをPTRA施行10分以上前にボーラス静注後,10μg/分で12時間静注。
最後の30例をA群とし,残りの症例をB群とした。血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬に禁忌の6例はB群とした(過去2年以内の脳血管合併症,過去2ヵ月以内の神経外科手術,頭蓋内腫瘍,出血性素因,内出血の既往,重度の高血圧症,血小板減少症,血管炎,糖尿病性または高血圧性網膜症,重度の肝または腎疾患,abciximab投与歴)。
PTRA施行前にaspirin 100mg/日および狭心症治療薬を投与。施行前日からticlopidine 500mg/日(分2)を投与開始。ステント留置を行わなかった患者では施行後に投与中止。施行中にheparin 1万IUを投与。
ベースライン時の血管造影施行前にnitroglycerin 0.2mgを冠動脈内注入,施行中は担当医師の判断で反復注入。Tc-99m sestamibiを用いたシングルフォトエミッションCT(SPECT)をPTRA施行前日,施行中,2日後に実施し,左室の24部位における局所心筋灌流の半定量的評価を行った。局所心筋灌流はsestamibiの最大取り込みが認められた部位(%)を用いて評価。また,血液サンプルをベースライン時,施行後8,16,24時間に採取し,酵素値を評価。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
一過性の灌流障害はB群で39例(87%)に認められたのに対し,A群では10例(33%)であった(p<0.001)。また,PTRA施行中に有意な低灌流が認められた部位は,B群の3.3部位/人に対し,A群では1.4部位/人であった(p<0.01)。B群において,最も大きな低下が認められた部位の灌流は,PTRA施行前(ベースライン時)は76%,施行中は56%に低下(vs 施行前:p<0.001),施行後は76%に回復した(vs 施行中:p<0.001)。A群でも,PTRA施行前は76%,施行中に67%に低下し(vs 施行前:p<0.001),施行後は80%に回復したが(vs 施行中:p<0.001),施行中には両群間に有意差が認められた(p<0.01)。
クレアチンキナーゼ(CK)値および/またはトロポニンT(TrT)値の軽度の上昇は,B群9例(20%),A群2例(7%)に認められた(p=0.18)。CKまたはTrT放出は,灌流障害の認められた49例中9例(18%),認められなかった26例中2例(8%)にみられた(p=0.31)。また,酵素値が上昇した症例では上昇していない症例に比し,灌流障害のサイズが有意に大きかった(4.2 vs 2.3部位,p<0.05)。

●有害事象
表記なし。

文献: Koch KC, et al. Influence of a platelet GPIIb/IIIa receptor antagonist on myocardial hypoperfusion during rotational atherectomy as assessed by myocardial Tc-99m sestamibi scintigraphy. J Am Coll Cardiol 1999; 33: 998-1004. pubmed
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