ERASER | Evaluation of ReoPro And Stenting to Eliminate Restenosis |
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●結論 | abciximabによる強力な血小板機能阻害は,ステント内再狭窄の抑制効果を有さないことが示された。ステント,血小板機能,新内膜増殖の関連性について,さらなる検討が必要とされる。 |
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●目的 | 待機的冠動脈ステント植込みの施行患者において,血小板GP IIb/IIIa受容体拮抗薬abciximabの12時間または24時間静注による再狭窄抑制効果を検討。 有効性の一次エンドポイント:6ヵ月後の血管内エコー法(IVUS)による標的病変のステント内閉塞率。二次エンドポイント:6ヵ月後の定量的冠動脈造影(QCA)による標的病変の平均内径および最小内腔径(MLD),Late Loss,Loss Index,あるいは6ヵ月後の死亡+心筋梗塞(MI)+標的病変への再血行再建術の複合。 |
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●デザイン | ランダム化,プラセボ対照,二重盲検。 |
●セッティング | 多施設(8ヵ国,17施設)。 アメリカ,イスラエル,イタリア,ドイツ,フランス,ベルギー,イギリス,オランダ。 |
●期間 | 追跡期間は6ヵ月。登録期間は1996年5月~1997年2月。 |
●対象患者 | 225例。待機的冠動脈ステント植込み施行患者。内径2.75~3.5mmの冠動脈における新規の狭窄(≧50%),冠動脈内ステント植え込みの適応。 【除外基準】過去72時間以内のMI,冠動脈内血栓,過去6ヵ月以内の他病変への冠動脈インターベンション施行歴,ステント植込み前のdebulking予定,IVUSによる標的病変へのaccessが不可能と予想される場合(石灰化プラーク,蛇行性血管など),abciximabへの禁忌。 |
●治療法 | ステント植込み施行前に,プラセボ群(71例),abciximab 12時間静注投与群(79例),abciximab 24時間静注投与群(75例)にランダム化。 abciximab 12時間静注群:0.25mg/kgボーラス投与後,0.125μg/kg/分(最大10μg/分)で12時間静注。abciximab 24時間静注群:0.25mg/kgボーラス投与後,0.125μg/kg/分(最大10μg/分)で24時間静注。 施術の2時間以上前にaspirin 200mg以上を経口投与,その後6ヵ月以上継続投与。また,活性化凝固時間が250~300秒となるようheparin静注。heparinは施術後,直ちに投与中止が推奨されたが,継続する場合は,活性化部分トロンボプラスチン時間を50~70秒となるよう用量調整。ticlopidineは担当医の裁量により投与。施術直前,施術後,6ヵ月後の冠動脈造影およびIVUS実施時にnitroglycerin 100~300μgを動注。 IVUSにより標的病変のステント内閉塞率を評価。QCAでは二分化再狭窄(binary restenosis:狭窄率≧50%),Loss Index,Late Loss,標的病変の平均内径およびMLDを評価。 ステント植込み,試験薬投与,追跡時(4ヵ月以降)のQCAまたはIVUSを実施し,30日以内のステント閉塞が認められず,追跡可能であった192例を一次解析可能症例とした。 |
●追跡完了率 | 解析可能は192例(85.3%)。 【脱落理由】6ヵ月後のIVUSおよび/またはQCA施行の拒否(15例),死亡(2例)など。 |
●結果 | ●評価項目 ●有害事象 |
文献: [main] The ERASER Investigators. Acute platelet inhibition with abciximab does not reduce in-stent restenosis (ERASER study). Circulation 1999; 100: 799-806. pubmed | |
●関連トライアル | Berger PB et al 1999, BRAVE-3, CAPTURE 1997, EASY, EPIC 1997, EPIC 1997, EPILOG 1998, EPISTENT 1999, EPISTENT 1999, EPISTENT 1999, ISAR-SWEET, MULTISTRATEGY, RAPPORT, TARGET |
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