抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
TIMI II 1995 Thrombolysis in Myocardial Infarction Phase II
結論 血栓溶解療法(rt-PA,heparin,aspirin)後のQ波および非Q波心筋梗塞(MI)患者では,冠動脈造影および臨床転帰に差異が認められた。また,梗塞タイプ(非Q波,Q波)にかかわらず,保存的治療群と侵襲的治療群間では早期死亡および臨床上有害な心イベント発生に有意差は認められなかった。

目的 血栓溶解療法後の非Q波およびQ波心筋梗塞(MI)患者における,早期および1年後の臨床アウトカムを比較検討。また,非Q波梗塞患者に対する侵襲的治療の有効性を検討。
デザイン ランダム化。
セッティング 多施設(50病院)。アメリカ。
同TIMI II Trial(1989年,メインスタディ)。
期間 追跡期間は1年。
対象患者 2,634例[Q波梗塞1,867例(70.9%),非Q波梗塞767例(29.1%)]。年齢<76歳。30分以上持続する虚血性胸痛を有し,発症から4時間以内に血栓溶解療法を実施した症例。心電図所見から隣接した2誘導以上でのST上昇(≧0.1mV)が確認され,血栓溶解療法に禁忌でない症例。
治療法 血栓溶解療法は,rt-PA,heparin静注,経口aspirinを併用投与。
侵襲的治療群(Q波929例,非Q波395例)と保存的治療群(Q波938例,非Q波372例)にランダム化。侵襲的治療群:rt-PA投与開始から18~48時間後に冠動脈造影,PTCAを施行。保存的治療群:自然発生または運動負荷時に虚血が生じた患者に冠動脈造影と血行再建術を施行。
追跡完了率 表記なし。
結果

●評価項目
ベースライン時の患者背景をQ波梗塞患者群と非Q波梗塞患者群で比較したところ,男性(Q波梗塞群85.3% vs 非Q波梗塞群75.6%,p<0.001),前壁梗塞(53.8% vs 43.7%,p<0.001)がQ波梗塞群で有意に多かった。一方,rt-PA静注中におけるST部の正常波への回復率は非Q波梗塞群で高かった(37.3% vs 23.5%,p<0.001)。また,梗塞関連動脈の開存(TIMI grade 2または3)(p=0.02),完全再灌流(TIMI grade 3)(p<0.001),退院時における安静時左心室駆出率(LVEF)平均値>55%(43.4% vs 24.1%,p<0.001)のいずれも非Q波梗塞群で有意に高かった。重度の左室機能不全(EF<35%)(3.0% vs 11.1%),入院期間における新規のうっ血性心不全の発症(11.6% vs 18.9%,p<0.001)はQ波梗塞群で高かった。
1年後の累積死亡率(非Q波梗塞群3.4% vs Q波梗塞群4.4%,p=0.25)と複合エンドポイント(死亡および再梗塞)に両群間で差はみられなかった(p=0.24)。
侵襲的治療群の非Q波梗塞群248例(62.8%)とQ波梗塞群523例(56.3%)でPTCAを施行。梗塞タイプ(Q波,非Q波)にかかわらず,42日後の死亡(p=0.76),致死性または非致死性再梗塞(p=0.81),死亡または再梗塞(p=0.43)は侵襲的治療群,保存的治療群間で同等であった。

●有害事象
表記なし。

文献: [substudy] Aguirre FV, et al for the TIMI II Investigators. Early and 1-year clinical outcome of patients' evolving non-Q-wave versus Q-wave myocardial infarction after thrombolysis: Results from The TIMI II Study. Circulation 1995; 91: 2541-8. pubmed
関連トライアル APRICOT, GUSTO-I 1994, GUSTO-I 1995, LATE 1996, PACT, RAPID II, Ribeiro EE et al, SWIFT, TACTICS-TIMI 18 1998, TAMI 5 1991, TAMI 5 1991, TIMI 5, TIMI II 1989, TIMI II 1992, TIMI II 1993, TIMI IIA 1990, TIMI IIIA, TIMI IIIB 1994, VANQWISH
関連記事