抗血栓トライアルデータベース
home
テキストサイズ
TAMI 6 Thrombolysis and Angioplasty in Myocardial Infarction 6
結論 急性心筋梗塞(AMI)発症後6~24時間以内の患者において,t-PAによる血栓溶解療法とPTCAはともに再疎通に有効であった。血栓溶解療法は左室の拡大およびリモデリングの予防に有効であったが,心収縮機能はPTCAと同様に改善しなかった。発症後6~24時間のAMI患者への再灌流療法による死亡率への影響はさらに大規模な臨床試験で検討する必要がある。

目的 発症後6~24時間の急性心筋梗塞(AMI)患者における血栓溶解薬t-PAおよびPTCAの有効性を比較検討。
一次エンドポイント:6~24時間後の梗塞血管の開存率。
デザイン ランダム化,プラセボ対照,二重盲検,intention-to-treat解析。
セッティング 多施設。アメリカ。
期間 追跡期間は6ヵ月。登録期間は1988年4月~1990年5月。
対象患者 197例。AMI発症後6~24時間。心電図所見により隣接する2誘導以上でのST上昇(≧1mm)が認められる症例。
【除外基準】年齢>75歳,nitroglycerin投与による胸痛の回復,脳卒中または最近の手術あるいは外傷の既往,出血リスク,梗塞関連動脈におけるQ波梗塞の既往,血圧値>180/110mmHgなど。
治療法 t-PA投与群(96例)とプラセボ群(101例)にランダム化。t-PA群:100mgを2時間で静注。治療開始2時間後,全例にheparin 5,000Uボーラス投与後,1,000U/時投与を48時間以上継続(部分トロンボプラスチン時間をコントロールの1.5~2倍に維持),またaspirin 325mg/日を経口投与。心筋虚血,高血圧症,上室性不整脈の治療に必要な場合を除き,β遮断薬,硝酸薬,ACE阻害薬,Ca拮抗薬の投与は不可。
24時間以内に冠動脈造影で梗塞血管の開存を確認し,閉塞が認められた患者をPTCA施行群(34例)とPTCA非施行群(37例)にランダム化。
追跡完了率 1例を除く全例で臨床上の追跡完了。
【脱落理由】表記なし。
結果

●評価項目
一次エンドポイント発生率はt-PA群65%,プラセボ群27%とt-PA群で有意に高かった(p<0.0001)。院内死亡率はt-PA群9.4%,プラセボ群8.9%と同等であり,6ヵ月後の累積死亡率は各群12.5%,9.9%であった(p=0.56)。6ヵ月後の再梗塞率(3.2% vs 5.0%,p=0.42),再入院率(19% vs 14%)も有意差なし。6ヵ月間のCABG施行率はt-PA群で高かったが(27% vs 15%,p=0.042),血管形成術は両群で同等であり(21% vs 16%,p=0.33),6ヵ月後の累積血管形成術施行は32% vs 38%(p=0.40)。
1ヵ月後および6ヵ月後の駆出率(EF)または梗塞域の壁運動に両群に差はみられなかった。6ヵ月後の開存率は両群で59%。プラセボ群において,拡張末期容積は急性期の127mLから,6ヵ月後159mLと有意に増加したが(p=0.006),t-PA群に増加は認めなかった。
PTCA群とPTCA非施行群においてイベント発生に大きな差はみられなかった(院内死亡率:8.8% vs 5.4%,6ヵ月後の累積死亡率:8.8 vs 10.8,6ヵ月後の再梗塞率:8.8 vs 2.7,CABG施行率:5.9 vs 10.8,再入院率:11.8 vs 5.4)。PTCA施行群の1ヵ月後の再開通率は81%,EFも改善がみられたが,この効果は持続しなかった。6ヵ月後の開存率はPTCA施行群60%に比し,非施行群では38%であった。

●有害事象
重篤な出血性合併症は両群でほとんど認められず,頭蓋内出血はなし。

文献: [main] Topol EJ, et al and the Thrombolysis and Angioplasty in Myocardial Infarction-6 Study Group. A randomized trial of late reperfusion therapy for acute myocardial infarction. Circulation 1992; 85: 2090-9. pubmed
関連トライアル Barbash GI et al, DANAMI-2 8-year outcome, ECSG 1992, GUSTO IIb 1997, Mayo Coronary Care Unit and Catheterization Laboratory, NHFACT, PACT, Ribeiro EE et al, SWIFT, TAMI 1 1987, TAMI 5 1991, TAMI 5 1991, TIMI 4, TIMI 5, TIMI II 1993, TIMI IIA 1988, TIMI IIA 1990, TIMI IIIB 1995, White HD et al, Zijlstra F et al
関連記事